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居酒屋「Hook by BRIDGE」で地魚ガクガクのガーリックバター焼きユッケにフリット

二年振りの石垣島の二日目の朝方のこと。
石垣港離島ターミナル真ん前のホテルから目と鼻の先にあるバスターミナルで東運輸の空港行のバスに乗り白保集落へ。
白保海岸沿いにある旬家「ばんちゃん」で、島の恵みを盛り込んだばんちゃん御膳で、ふわっふわの出汁巻き玉子を愉しんだ。

ゆったりブランチを済ませて、
離島ターミナル前へと戻ったその日の昼下がりは、
ホテルの部屋でのんびりタイム。
それは、夕刻から行われる予定の、
石垣島出身のバンドBEGINの35周年記念全国ツアー、
「さにしゃんサンゴSHOW!!」のツアーファイナルを飾る、
地元石垣市民会館でのライブのために、
英気を養うためでもありました。

そろそろ参ろうかとホテルを出て、
市民会館通り方向へと竹富町役場の脇を進むと、
道路脇に大型の8輪トラックが目に留まった。 それはまさしくBEGINのツアートラック。
ツアータイトルやBEGIN三人の写真ばかりでなく、
’25年から’26年にかけての足掛け二年にわたる、
ツアースケジュールまでがラッピングされている。
なんだか否応なしに、ワクワクしてくるね(^^)。

そこからもう少し歩けば、
ライブ会場の石垣市民会館。 以前一度、訪れたことがあると、
そう思えて仕方がないのだけれど、
それは誰の、何の演奏会だったのだろう…(^^)。

「恋しくて」や「涙そうそう」、
「三線の花」や「島人ぬ宝」といった代表曲から、
「オジー自慢のオリオンビール」に「海の声」、
「竹富島で会いましょう」に「ハイサイCalifornia」、
「防波堤で見た景色」といった島唄的定番曲に、
新譜「太陽」からのナンバーなどを織り交ぜた、
30曲近いセットリストにゆったりとしたMC。
当然ながらのアットホームなホールの空気の中、
声量あるよく響く歌声に安定感抜群の演奏に大満足。
遥々と地元まで聴きに来て、
その甲斐がたっぷりとあった。

ライブがハネた後は、
会館の目の前の郷土料理店「琉球の爺」に寄って、
勿論のオリオンビールをぷっふぁああー。
中華料理店と中で繋がっているという、
少し不思議な店で、「八重山ソバフライ」や、
「オオタニワタリの天ぷら」「アダンの天ぷら」や、
「うむずなーちゃんぷる」あたりをいただいた。

その翌朝は、少し早起ををして、離島ターミナルへ。
8時出港の離島フェリーで向かったのは、
1時間弱の船旅で到着する上原港。
初めて上陸する島、西表島でありました。

上原港でレンタカーに乗り換えて、
白浜南風見(はえみ)線をドライブと洒落込むも、
降ったり止んだりの生憎の雨模様。
嘘のように晴れないかなぁと話乍ら、
車は最初の目的地、白浜南風見線の終点の、
小さな小さな港、白浜港に着いた。
白浜港から船浮海運のフェリーに乗れば、
島の地続きながら定期船でしか行けない、
船浮集落の港、船浮港に渡れる。
集落の東側には、美しく静かな秘境の浜辺、
イダの浜があるのだ。

その白浜港の小さな波止場で、
木に括られた看板の文字にガックリとした。 船浮集落でのおひる処にと目論んでいた、
島の食堂「ぶーの家」の看板には、
本日休業の貼り紙…。
「いのししそば」を啜りたいと思っていたのに(^^ゞ。

船浮港に渡るのを諦めて、
今来た白浜南風見線を逆戻り。
相変わらずの降ったり止んだりの天候の下、
島の西岸をぐるっと巡ろうという訳です。
途中の海中道路から山間の滝を遠く見遣り、
由布島水牛車乗り場に立ち寄って、
牛車がのそのそと水道を渡る様子を眺めてから、
古見集落にある「海風」へ。 村の食堂という佇まいの中、「八重山そば」と、
「ウムズナーチャーハン」をいただいた。
お馴染み”ウムズナー”は、八重山地方で、
ウデナガカクレダコ(腕長隠れ蛸)と呼ばれる、
小型の蛸のことだね。

おひるを食べ終えたら、少し戻って、
イリオモテヤマネコの保護活動の拠点とされる、
西表野生生物保護センターへ。 その名だけはよく知られている、
イリオモテヤマネコの推定生息数は今や、
100頭に満たないような状況らしい。
国指定特別天然記念物にして、
国内希少野生動植物種に指定される絶滅危惧種。
西表島の全域に密やかに生息しているものの、
主な生息地は、山麓から海岸にかけての低地部分で、
基本、なかなかご本人に出逢うことはないけれど、
島外周のメイン道路の白浜南風見線に飛び出して、
事故に巻き込まれることもあるという。
ヤンバルクイナの生息地、やんばる地区同様、
運転には常に注意が必要だ。

そのままずーっと南下して、
白浜南風見線のどん詰まりまで。
南風見田キャンプ場の少し先には、
「1965ヤマネコ発見の地」のモニュメント。 1965年4月、島内の遠足でこの地、
南風見田(はえみだ)浜を訪れた地元中学生によって、
イリオモテヤマネコは初捕獲された。

小雨降る暗い砂浜に立って海を眺めていると、
なんだか最果ての地に佇んでいる気分になる。 実際にこの先には道はなく、
島の南東部は踏破容易ならざる未開の地なのだ。

天気は悪かったけれど、
島の七割方の外周をドライブ出来て、
それなりに満足して、島北西部のホテルへ。
お宿は、「西表島ホテル by 星野リゾート」。
元々のリゾートホテルから、星野への運営委託、
名称変更やリブランド、星野の買収を経て、
今に至る、そんな経歴のホテルだ。
気持ちよく泳ぐにはちと早い時季であるも、
プルーサイドは心地いい場所だね。

なるほど、クラシカルなリゾートホテルの装い。
当時流行ったであろうバリ調の調度の部屋から、
漸く明るさの出てきた海を見晴らす。 ホテルの前の浜は、トドゥマリの浜。
入り江の対岸、右寄りのあの辺りにある、
今宵の止まり木に向かいましょう。

お願いしていたホテルへの迎えの車を降り、
沖縄らしいコンクリートの建物へ。 正面に広がるテラス越しに、
ホテルのオレンジ色の屋根が連なりが見えた。

そのテラスに、入り江に、
窓越しに正対するカウンターにご案内。 実はここで、眩いほどのサンセットを眺めながら、
食事したいと企んでいたのだけれど、
なかなかそうは問屋が卸しません(^^)。

ホテルでフライングの麦酒を吞ってしまったので、
口開けは「さんぴんハイ」。 石垣や沖縄に来るようになって、
夏にはウチでも、麦茶かさんぴん茶かどちらかになり、
ご当地では勿論、さんぴん茶ばっかりだ。
気温に湿度、気候に本当によく合っているンだ。
ご存じの通り、ジャスミン茶のことなんだけどね(^^)。

まずは、お魚メニューから、
地魚の「うま辛!ユッケ」。 想像通りのお姿だけど、めちゃ旨そう。
うりゃっと黄身を崩して、馴染ませて、いざ。
鮪ばかりではなくて、白身の魚も入った、
コチュジャンベースの甘辛ユッケ。
胡麻油の加減もちょうどよくて、佳き哉。

そして、地魚の「ふわふわフリット」。 ユッケのお魚ってなぁにと訊けば、イロイロです。
フリットのお魚ってなぁにと訊けばやっぱり、
イロイロですーとなって、互いに笑い合う(^^)。
白身の魚がカリっとフワッとした衣に包まれて、
麦酒にもさんぴんハイにもよく似合う。

揚げ物コーナーからは、
「じーまみー豆腐の揚げ出し」。 豆腐がメレンゲみたいにふわっふわ。
それはやっぱり手作りならでは、なのだろうね。
落花生の風味がしっかりとして、いい。
そんなジーマミー豆腐が片栗の衣を纏い、
やや濃い目の出汁つゆに浸っている。
ジーマミー豆腐って、揚げたりなんかしたら、
溶けてしまいそうだけど、それ故の衣なんだろな。
するっと、あっという間に食べちゃった(^^)。

ふと柱型の上方を見上げたら、
魚の頭がトナカイの壁掛けよろしく、
飾られているのが目に留まった。 あれは多分、GTだよと話すものの、
そのGTが何だったかすぐに思い出せなかったのは、
多分きっと、加齢の所為(^^)。
そう、GTとはGiant Trevallyの頭文字、
ロウニンアジ(浪人鯵)のことだ。
ダイビング中にも目を惹く人気者。
訊けば、121cmモノのGTだそう。
オブジェにするからには、
店主自ら格闘の末釣り上げたものなのだろうね。
魚拓にするより、断然恰好いい。

さんぴんハイに続いては、
未だ上陸果たせぬ波照間島の幻の泡盛「泡波」を。 うん、円い甘さがあって、いい。

と、そこへお魚メニューからの、
「ガーリックバター焼き」。 思わず、おおおー、と声が出る。
ガーリックが芳ばしく香ってくる。
なかなかの量感があって、いい。
なかなか端正な顔立ちをしているね。

スタッフのオネエサン曰く、
お魚は、ガクガク、ですと。 初めて聞く魚の名前、ガクガクとは、
沖縄や八重山で「ホシミゾイサキ」のことを云う。
釣り上げると、浮き袋を震わせて、
「グーグー」とか「ガクガク」と鳴くことから、
そう呼ばれているらしい。
そうか、イサキの仲間なんだね。

絶賛立ち昇る湯気を拝みつつ、
揚げ焼いた様子のガクガクの身を解す。 解し身にお皿のソースを垂らし掛けて。
うん、美味しい美味しい。
揚げ焼いた芳ばしさと、
ガーリックバターの芳ばしさ。
そこにちょっと中華っぽいソースがよく似合う。
皮目の部位が特に旨いね、いいね。

なかなか陽が落ちず、暗くならないんだねと、
そんなことを話しているところへ、
キュキュキュキュキュキュキューと、
聞き慣れた鳴き声がした。 天井には、ご存じ、ヤモリくん。
色が浅くて、清潔感があって、
目がクリクリして可愛いんですと、オネエサン。
うんうん、家を守る愛らしいヤツ。
動きに合わせて台詞をつけたくなるんだよね(^^)。

ご飯ものから「明太もずくパスタ」を少な目で。 おー、入ってるやん、もずくがたっぷり。
そして、明太子クリームのスープはダっクダク。
見た目はちょっと不思議だけれど、
あれれ、妙に旨くって愉しくなる。
もずくから出汁がでるって聞いたことないけれど、
なんか、そんな気さえするんだ。
うんうん、ご馳走さまでした。

西表島北端の上原地区。
トドゥマリの浜の入り江に面して、
居酒屋「Hook by BRIDGE」は、ある。 お品書きによると、「フックHook」は、
40年以上も前の1982年に喫茶店として開業。
島唯一の喫茶店として、
地元客やダイビング客に愛されてきたという。
そして、2022年に居酒屋としてリニューアル。
「Hook」のウリはなんといっても、
漁師である、つまりは船長であるオーナーが自ら、
釣ったり潜って獲ったりした新鮮な魚介類。
そして、この日は残念ながら拝めなかった、
サンセットの景観もウリのひとつに違いない。
「フックHook」の名は勿論、
ピーター・パンの宿敵であり、
海賊船ジョリー・ロジャーの船長である、
キャプテンフックCaptain Hookから。
そこに添えた”BRIDGE”は、
繋がりとか懸け橋、ないしは、
八重山地方でいう相互扶助や助け合いの精神、
「結(ゆい)」を意味しているそう。
同じカウンター席で今度こそは、
綺麗に煌めく夕焼けを前にし乍ら、
ふたたびゆったりしたひと時を過ごしたいな。

「Hook by BRIDGE」
沖縄県八重山郡竹富町字上原99-1 [Map]
0980-85-6419
https://iriomote-island.jp/ja/restaurant-hook/

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