9月にグランドオープン、としているのは、「汐留らーめん」が8月末までの営業であることと呼応しているのでしょう。 プレオープンのお昼メニューは、「鶏しおそば」か「和牛すじ煮込みそば」。
「汐留らーめん」の印象は余り芳しいものではなく、 あれこれ味をぶっこんじゃった挙句に結局塩辛さだけが舌に残る感じのものでした。 それがどのような昇華をみせているのかなぁとお願いしたのが、「鶏しおそば」です。
慣れないオペレーションにてんてこ舞いな厨房廻りの様子を眺めながら、 そこはまぁいろいろあるわなぁと思いつつじっと待つ。 厨房の寸胴には、たっぷりこんもりとスープ素材が溢れんばかり。鶏のもも肉らしき部位も覗けます。
届いたどんぶりは、以前の印象から一転してシンプルな装い。鶏の脂と旨みを煮出した感じのスープは、 例えば、末広町「鳥つね 自然洞」が営んでいた今はなき「山彦」を思い出させる。
とろんとしてそしてそれは過ぎず、 このスープにはやっぱりこんな細麺でしょうという麺を泳がせています。製麺・中西食品のトレーが厨房に。
プレオープンおひる時のもうひと品が、「和牛すじ煮込みそば」。 「鶏しお」と同列のそばに、牛すじ煮込みをトッピング。甘辛く煮込んだ牛スジもコテっとさせず、 旨みの芯がすっと一本立つような簡潔な仕立てです。
三度再訪は、グランド・オープン時の特別サービス、500円「鶏しおそば」を横目にしつつ、 気になっていた「しょうゆラーメン」をお願いしました。 ううむ、これまた派手さとは真逆にあるような、極めてシンプルな面構えのどんぶり。それでいて、十分かつバランスのいいコクと旨みを湛えたスープ。 何気なく馴染むようにそのスープを持ち上げる細麺。 インパクトはなくとも、飽きのこない、そして〆のラーメンにもぴったりの一杯だ。
中太麺の「味噌ラーメン」なんかもあるけれど、 シンプルな細麺のラインナップが「竹井幸彦」の真骨頂のようです。
「汐留らーめん」転じて、新川に麺酒蔵「竹井幸彦」。夜には、居酒屋+ラーメンで客単価の獲得に抜かりなく(笑)。 ポスターに記したふたりの店主の名前で、店名の訳がみえてくる。 件の竹若幸之助、そして荒井寿彦氏。 共同経営なのですね。
口 関連記事: 日テレ「汐留らーめん」で ショッパいぃ汐留らーめんンンン残念(04年02月)
「竹井幸彦」 中央区新川2-8-1 長山ビル1F[Map] 03-5566-8410
column/03169