小浜島の小さなイタリアン「nascondino手々」で玄米と島野菜リゾット鮪コトレッタ

翌日には小浜島を離れるという、そんな夕暮れ時。
前夜は、小浜集落の島ダイニング「ゆうな」で美味し愉しく過ごせた。
そして今宵もお店からホテルへの迎えの車に乗り込む。
そう、小浜島にはタクシーがないので、宿から離れた島内のお食事処へは、お店の送迎に頼るか、チャリ等で自力で向かうしかないのです。

ボディにお店の名前が記された送迎の小さな車は、
慣れたハンドル捌きで小浜港の方向へと向かう。 砂糖黍を黒糖へと加工する島唯一の小浜製糖工場の近く。
夕陽の沈みかけた頃に、
小浜島の小さなイタリアン「nascondino 手々」に到着です。

店内は、”小さな”と云いつつも、
狭さを感じさせない、加減のいいサイズ感。 幅のある無垢材による板張りの床と、
ギンガムチェックのテーブルクロスが印象的です。

我慢出来ずにホテルの部屋で麦酒呑んじゃったので、
まずは食前酒におススメという「アペロールスプリッツ」。 それは、オレンジとハーブのリキュール、
白ワインとソーダのカクテル。
昼間の暑さから逃れてホッとさせるような、
そんな爽やかなグラスだ。

前菜カテゴリーから選んだのは、
「無農薬玄米と島野菜のサラダリゾット」。 ホロホロとした食感の玄米と島野菜たちが、
酸味の程良く利いたドレッシングで和えられている。
お皿に含む島野菜はと云えば、
黒人参、島南瓜に冬瓜、ルッコラ、パプリカなど。
パクパクするーんと平らげてしまいます。

最初にいただいたグラスの白は、
BOCCALINO Bianchello del Metauro。 酸の強さや硬さはなく、フルーティでいながら、
がぶがぶ呑めてしまいそうな夏に似合うヤツだ。

お魚系で何かとメニューを探って、
メインの「近海マグロのコトレッタ」。 コトレッタはコートレット。
レアに仕上げた鮪のカツレツは、
鮪のお造りと鮪の揚げ焼きを同時に口にしているような、
ちょっと不思議で面白いもの。
近海延縄漁で揚がったであろう鮪は恐らく、
メバチか、ビンナガか、キハダでしょう。

あとはパスタをいただけばきっと満腹だねと、
「スパゲッティ・アッラ・プッタネスカ」。
ご存じ”娼婦風”とされる定番パスタだ。 アンチョビの塩気と旨味が、
濃い目のトマトソースによく利いている。
はー、満足、そして満腹だ(^^)。

小浜島は小浜港のエリア、小浜製糖工場の近くに、
小浜島の小さなイタリアン「nascondino手々」は、ある。 迎えのクルマと送りのクルマ、
それぞれの行き来の手間だけでも大変だし、
食材の仕入れをはじめとして、
島ならではの色々な苦労があることだろうと思うと、
それだけでも貴重な小さな島のイタリアン。
“Nascondino”とは、
イタリア語で「かくれんぼ」のことらしい。
小さな島に隠れるようにあるけれど、
どっこい、そんな隠れ家を訪ねれば、
ホッするよな空間と料理にきっと癒されます。

「nascondino手々」
沖縄県八重山郡竹富町小浜3225-1 [Map]
070-3801-3366
https://www.instagram.com/nascondino.tete

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