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キッチン「きらく」で稲庭中華芹かしわ山椒牡蠣昭和な黄色いカレー嬉楽焼に癒される

東西に走る靖国通りと南北に至る白山通りとが交わる神保町交叉点。
神保町交叉点の十字で区切られた、その北西エリアには、コース料理から冷やし中華、特製カレーライスまでを供する「新世界菜館」があり、半チャンラーメンの元祖ともいわれていた「さぶちゃん」や凛とした雰囲気の白木のカウンターでありながら安くて旨い天婦羅の「いもや」があった。

岩波書店や集英社のある南西エリアでは欧風カレー「ボンディ」、
北東エリアではスマトラカレー「共栄堂」が懐かしい。
南東の角にも欧風カレー「カヴィアル」があるけれど、
こちら側ではなんといっても「さぼうるⅡ」が有名処だ。

神保町駅A7出口の階段を上がり、すぐ左に向かえば早速、
「さぼうるⅡ」の空席待ちの行列が目に飛び込んでくる。 路地のクランクで右を向くと、その先に、
閉店してしまった「スヰートポーズ」のファサードが見える。

そのまま路地を進むと右手に見えてくるのがカレー色の幟。 振り向き見る提灯には、
稲庭中華そば、との文字が浮かんでいます。

ドアを開け入るとすぐ右手に注文受付の小さな開口があり、
その奥の厨房では、阪田店主の所作がちらっと覗けます。

註文を済ませた客人は、左手の階段から二階へと上がる。 小さな二階のフロアは、
階段沿いに4席のカウンターがあり、
二人用、四人用のテーブルがそれぞれ一卓だ。

この日の稲庭中華は、「せりかしわ中華そば」。 まずはたっぷりと盛り込まれた芹が嬉しい。
芹の根が長々として、大層立派な芹であることが判る。

澄んで旨味の深いスープの一層の後押しとともに、
芹の根の滋味や葉の香気を堪能する。 決して硬くならずふくよかなままのかしわ肉を食んでは、
阪田店主自慢の小麦香る稲庭中華を無心に啜る。
真っすぐに外連味のない味わいと、
官能的なほどの滑らかさが、いい。

キッチン「きらく」開業時から気になっていたのが、
その名も「きらく焼き」。
つぶあん、カスタードクリーム、キーマカレー、
黒糖、バターにエシレバターが基本線。 嬉楽焼きと焼き印がある。
大判焼きや今川焼きのスタイルだと見受けるものの、
俵型ともまた違うこのフォルムが独特だ。
火傷しないよう、そっと齧りつけば、やっぱり熱い(^^)。
そして、ナハハハ、美味い。

裏を返すようにふたたび神保町の路地に出掛けると、
例の注文カウンターに「本日のきまぐれ」のお知らせあり。 小さな黒板に白墨で書かれた文字は、
「牡蠣と山(やま)朝倉山椒の稲庭中華そば」だ。
こいつは見逃せないと早速註文を入れます。

頃合いのいいサイズの牡蠣2片が凛と載るどんぶり。 フルーティな青さと柚子の薫る牡蠣が旨い。
稲庭中華のストレート麺とスープの美味しさも盤石だ。

きらく焼きは、高菜炒め。 きっとこれからもどんどん種類が増えていくのでしょう(^^)。

稲庭中華ときらく焼きと並んで、
「きらく」を代表するメニューが、
幟にもある懐かしの黄色いカレーライスだ。 「”手打ち”カツカレーライス」の”手打ち”とはどんな意味かな、
「七彩」の麺が手打ち・打ち立てなのは勿論知っているけれど、
などと考えながら、揚げ立てのカツをまさに黄色いカレーと頬張る。
辛さをただただ追い求めるような気配もなく、
カレー粉の風味と背後の旨味を優しく伝えてくる。
食べて残念だった新潟・万代シティバスセンターのカレー。
あれを阪田流に美味しく再構築したもののような気もする。
おウチカレーとも間違いなく違う、
でも確実に昭和が漂うカレーに兎に角癒されます。

カレーメニューも色々あって迷わすけれど、
次にいただくとしたらやっぱり「あいがけカレーライス」。 基本形の黄色いカレーとひよこ豆キーマのシンメトリー。
黄色いカレーの優しさと対比してややスパイシーさを帯びたキーマ。
でもそこは阪田師店主の手の中にあって、
とんがったところなく、まろやかな仕立て。
レトロ懐かしいコップがよく似合います。

神保町駅近の路地、さぼうるⅡのその先に、
キッチン「きらく」はある。 キッチン「きらく」はさしずめ、
阪田店主の研究室、ラボといった趣のする。
チキンライスや焼きそばも気になるものの、
阪田さんがあちこちに広げる見聞と研究研鑽の成果が都度反映されて、
きっとどんどんとメニューが昇華し、間口も広がる。
引き続きチェックしないといけません(^^)。

キッチン「きらく」
東京都千代田区神田神保町1-5 M2神保町1F [Map] 080-7293-0731
https://www.instagram.com/kitchen_kiraku/

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