ただ、ひるどきに窺うと牡蠣料理も繰り出す中華なお店であったこともあって、終ぞ串揚げをいただくことなく閉店の報に接することになったのでした。
そんな「アンジュ」が、移転復活したと知ったのは確か、13年2月頃のこと。
それも割りと身近な高輪台への移転だと聞いて愕いた。
そんな展開もあるのかーとニヤニヤしたのを憶えています(笑)。
「アンジュ」といえばののむのむさんらを翌月あたりに早速お誘いして、夜の串揚げの部へと潜入。
晴れてやっとこ「アンジュ」の串揚げに相対することができたのでした。
その後季節が冬ともなればやっぱり、銀座の頃の”あの料理たち”が気になってくるもの。
病院帰りに寄ってみたり、五反田から散策するように歩いていったりしてお邪魔しておりました。
壊れて交換したらしき店先のA看板には、「広田のかき」の標題がある。その下には、「かきフライ定食」「かきのやきそば」「かきのつゆそば」の三題が並んでいます。
迷いつつもまずは、「かきのつゆそば」から。なみなみと満ちた汁にフリッターした牡蠣がごろごろんと浮かんでる。
汁をちょっと啜ってからやおら、牡蠣の身に齧り付く。
衣に含んだ汁と一緒に牡蠣の滋味が溢れ出る。ふむふむ、こうでなくっちゃね。
こうしてみると、丸の内「小花」の「鮮蠔湯麺」のズルさもよく判る。
それは、中華専門店によるスープ仕立ての巧みさか、はたまた化調の惹きの強さか。
また或る日には、「かきフライ定食」をいただいて。やや小さめのパン粉によるしっかりした衣に包まれた牡蠣フライ。
汁の滲みた牡蠣もいいけれど、カラっとした衣の香ばしさと併せ喰らう広田の牡蠣の滋味がまた幸せを運んでくれました(笑)。
またまた或るおひるどきには、「かきやきそば」を所望する。麺はちょっと不思議なやわやわ平打ち麺。
ざっくり切りの野菜たちと一緒にややとろみのあんに含んだ衣包みの牡蠣が、はよ喰いなはれとこちらを嘱目してきます。ぶりりとした牡蠣に麺がすっかり負けちゃってる気がするなぁと思いつつ、一気に食べてしまうのでありました。
陸前高田にも行ってみなくっちゃ、なんてことも考えつつね。
高輪台に移転して2年を過ごした串揚げと手作り料理の店「あんじゅ」。銀座にいる頃は「アンジュ」と片仮名表記だった店名は、「あんじゅ」と平仮名表記になっている。
大山鶏の「鶏の唐揚げ香味ソース定食」とか「大粒あさりそば」とか「豚肉のしょうが焼き定食」とか。
まだまだ気になる料理が手書きのお品書きに並んでるので、またお邪魔しなくっちゃ。
そうそう「あんじゅ」二階の和食店「いま井」も気になっています。
港区高輪3-9-20 1F [Map] 03-3449-1238