久し振りの築地「やまだや」は、
師走のとある夜。
この店の師走となれば予約で一杯なのでしょう、店内は既にちょっとした熱気を帯びはじめていました。
今宵は、在ザルツブルグのフルート奏者laraさん日本凱旋レセプション。
母国日本のモノあれこれを口にしたいと渇望するlaraさんに相応しい、つきじろうさんのナイスチョイスでありました。
麦酒での乾杯で迎えたひと皿めが、「本乾ししゃも炙り焼」というのがシブく、かつ「やまだや」らしく。
カペリンでなくて、日本固有種といわれる柳葉魚はおそらく、彼の地では口にできないものな。
そして早速、疑う余地もなく旨い「白子の昆布焼」のコクまったりを。
白子を昆布にのっけて、レア気味に焼き炙って食べちゃうなんてのも、墺太利ではしないでしょー。
牡蠣はといえば、
前後してやってきた生の「長崎 小長井産カキ」に「カキの赤玉みそ焼」。
どこかで日本酒を呑んでる時にときどき思い出しては「いまここにあれがほしい!」と思うことのあるのが、絶佳な酒肴、やまだや謹製「自家製豆腐のみそ漬け」なのでありますぞ。
もう既に何杯となくいただいている日本酒、焼酎に最高に合い、次を誘うのです。
ほー、そうきましたかと思わず覗き込んでしまったのが、
「サバのへしことモッツァレラチーズのピザ」。
薄いタイプの生地にたっぷりのモッツァレラ。
そこに挿し色トッピングの、プチトマトの薄切り。
さらにその上に、極薄スライスのニンニクと鯖へしこの欠片。
へしこの塩っ気を含む糟風味が、シェーブルあたりのチーズを想わせたりして。
本日の土鍋ご飯は、「金目」。
金目鯛の切り身から滲み落ちた脂と旨みがご飯に軽やかに沁みていて、いい。
ムニっとした皮目の食感も、同じ金目のお椀も、ね。日本の海の幸の魅力に思い切り浸ってみたい。 そんな内外の貴賓にも自信をもってご案内できる、ここ「やまだや」。
勿論、お酒とのマッチング絶妙であるのも誰もが認めるところ。
きっと、laraさんも喜んでくれたことでしょー。
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