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酒肴処「うまいもん屋」で おまかせイタリアン鍋大将の心意気
ご無沙汰してしまっていた、築地「うまいもん屋」。
ただ、お昼どきに前を通る度、「今までに訪れたことがない人はお断り」を旨とする札が立て掛けられているのは目にしていて、観光スポット化してしまい、我慢ならない客がいたとか、普段使いの常連が入れなくなったとか、そんなことでもあったのかなぁと考えていました。
今夜は、その「うまいもん屋」で、「くにろくOFF」忘年会。
大将、元気かな。今宵の同志は、総勢14名。
テーブル席を全部占拠して、一列の大テーブル状態。
そしてそのほぼ全員がデジカメを構えるという光景は、小上がりのお客さんからは奇異なものに映ったらしい。そりゃそうだ、ゴメンナサイ(笑)。
里芋と人参の煮物とか炒め煮した蓮根とか青菜とか、
蒸かして塩した零余子(むかご)とか。素朴かつ真っ直ぐな酒肴たちで、宴のスタートだ。
こいつはいかんと(笑)、麦酒は早々に仕舞いにして、純米吟醸「笹祝」や純米「浦霞」に手を伸ばす。
そこへ大皿の到着です。
ひと皿4人前のお造りは、中央にまだぴくっと動く伊勢海老を、周囲に鮪、蛸、甘海老、雲丹を配してくれています。う~ん、伊勢海老の身の甘さが味蕾に沁みて、冷や酒にしみじみ。
と、そこへ、ひとりに半身の鯛の頭の煮付け。目の裏あたりをほじほじしては猪口をくぴっと、唇や頬あたりをほじほじしては猪口をくぷっと。
この調子で呑んでていいのだろうかと悩みながらも、ぐぴっとね(笑)。
ありゃありゃ、お次は鱶鰭のあんの載った茶碗蒸し。気がつけばぺろっと食べ終わっている、勿体なくもこれも気の利いた酒肴なのですな。
生牡蠣をちゅるんと啜って、純米「天狗舞」。
抹茶風味にホイップしたクリームチーズを添えた南瓜をかぷっと咥えて、特別純米「酔鯨」。
そして、ここでテーブルを埋めていた大皿小皿に不要なグラス食器のお片づけ。
女将サンが届けてくれた鍋には、なにやら赤い液体がなみなみと注がれていて、そこへ蛤をドコドコと入れ、ぶつ切りにした伊勢海老を身も味噌もそのままワサっと入れる。
さっと沸いて、蛤がパカリと口を開けたところで、トマトやオクラ、茄子を投入し、さらに大量のレタスを鍋を覆うようにのっけるのであります。
レタスがしんなりしてきたところでお許し(笑)が出て、一斉に箸を伸ばす面々。
はー、もー、どうしてって考える間もなく、「うほうほ、うめー!」とよそい足す。
スープの赤の正体は、唐辛子系の赤というよりトマトの赤。
とっぷりと煮出した出汁にトマトの甘み酸味が否応なくマッチして、うほうほ。
空になった鍋を見詰めて、嗚呼一気に食べ終えちゃったじゃん、という寂しさも束の間。残された伊勢海老の殻の上にどさっと載せられた白子にニンマリ。
ところが実はここからがクライマックス。
残骸を綺麗に浚って再びわっと沸かした鍋の出汁。そこへご飯を投入し、玉子を追いかける。
鍋の仕上げにご飯投入は云わばお約束だけど、そこは「うまいもん屋」、ひと筋縄ではいかないよ。
そのまま杓文字を動かし続けなさい、と女将さんの指令が飛ぶ。
そして頃合をみて、大量に投入するは粉チーズ!
さらに混ぜ混ぜする光景は、花畑牧場で生キャラメルを作っているみたいだ(笑)。
随分と水分が飛んで、固めのリゾット風になったところで仕上げの粉チーズを再投入、ひと巡り掻き混ぜて出来上がり。下地のトマトスープに、蛤、伊勢海老の身や殻、野菜たち、白子なぞなぞの旨味が凝縮したところへチーズの魅惑。
ズルいよな~、こういふの~。
あれだけ捏ねているのに、旨味をたっぷり纏ったご飯のひと粒一粒がヘタレず活きている。
最初の蛤投入からいろんなことがあったけど、だからこそこのクライマックスがあるのだね。
悶絶しそうになるのは、呑み過ぎてるからでは断じてないのだぁ(笑)。
女将さんは「トマト鍋よー」と仰るけれど、月島仮面さんが呼ぶ「イタリアン鍋」がぴったりくるね。
よくぞ名付けた、酒肴処「うまいもん屋」。お会計が嬉しいのもまた、大将の心意気なんだな。
今宵の同士は、主催の月島仮面さんと OFF会の主「くにろく 東京食べある記」のくにちゃん、Mikasaさん、「おいしい店・うまい店・安い店」のこうめさん、「コナモンこんなもん?」のどるふぃんさん、「あなさんの美しき日々」のあなさん、pochiさん、「ブログbyフードジャーナリスト はんつ遠藤」のはんつ遠藤さん、 『超らーめんナビ』の管ちゃんさん、「ワシ・ブロ」のワシ・ブロさん、「ワンコイン的食べ歩き生活。」のぎずもさん、まさぞうさん、 ちょんさん、の皆さんでした。
愉しい酒宴をありがとうございましたー。
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「うまいもん屋」 中央区築地2-10-5 寿ビル1F [Map] 03-3545-5455