伏見駅界隈から流れてやってきたのは、名駅の裏通り。
暖簾には「かげ山」、とあります。
ほぼ満席の様子ですが、運よく、
8席のカウンターの真ん中に居場所を得られました。
そのまま新幹線で東京に戻る身としては、
名古屋駅がすぐそこというのはなんだかちょっと安心で、
でも反って長居しちゃいそうでオッカナイ(笑)。
名刺をいただいて知る、
快活な笑顔の主が影山さん。
そのまま店の名に出来る姓を享けていることが、羨まししくもちょと妬ける。
もう麦酒はいいやと、「宝山 芋麹全量」をいただいて、
「生鮪」と「まだか」のお造りを一緒盛りにしてもらう。
「まだか」というのは、成長途上の鱸のことで、50cmを越えたあたりからこう呼ばれるらしい。
関東で云うところの「フッコ」にあたるのかな。
すっと出されたアラ汁が素直に旨い。
目の前には、今や懐かしくもある「天使の誘惑」が化粧箱に収まって飾られている。高いことになってンじゃないの?と訊くと、およそワンコインの格安値段で提供してくれた。ああ、そうだ深みあるもこんなシルキーな焼酎だったのだと、ハッとなる。
そして、小振りなハラスをイメージしてお願いした「鰤はらす焼き」は、
意外にも全長20cm級のダイナミックなお姿。
上品な脂がいじらしいぃ。
「松前漬って自家製?」と訊いた時のリアクションで店主の心意気が分かった気がする
。
その云いは、「あったりまえじゃないっスか~」(笑)。
お仕着せのものを出したりしませんよという拘りと自負が窺えて、頼もしい。
「かげ山」の本懐を知るにはまだまだ呑み食べ不足ながら、そろそろ帰路に着かねばなりましぇん。
見送ってくれた店主のVサインに再びヤンチャな頼もしさを思うのでしたありました。
「かげ山」 名古屋市中村区名駅3-24-9丸真ビル1F 052-565-0277
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