ランチ1,800円というお値段に少々たじろぎつつも(笑)、 しばし後、テーブルのひととなる。白クロスのテーブルを組み合わせて、5卓か6卓で構成する感じ。
壁際はソファになっていて、ゆったりと。 間違いなく女性陣にも好まれそうな清々しいインテリア。 天井板を廃して、スラブまでの高さを稼いでいて、狭苦しさはありません。想像通りのこじんまり感と折戸からの抜けの良さとが同居している感じ。 予約の電話も入るようで、さっきまで静かだったテーブルたちは、 あっという間に埋まっていきます。
「シック」のランチは、スープ、サラダ、メインに飲みものという構成。 高さのある器でやってくるスープは、ポタージュとするのが基本形のようだ。
ある日のスープは、 クミンで風味づけしたクルトンを浮かべた原木椎茸のポタージュ。 椎茸の滋味がこふいふ風に美味しいって、なんだか嬉しい。別のおひるには、白トリュフを添えたグリーンピースのポタージュだったり、 刻んで揚げたチョリソーをアクセントにしたズッキーニのポタージュだったり。 旬の野菜をポタージュでじっくり味わって欲しいとする意図が、 冒頭からしっかと伝わってきます。
トートバックのミニミニ版のような可愛らしい布袋に収まって、 温かなパンが届きます。 それに続いてやってきたが、こんもりたっぷりとしたサラダのお皿。益子の農園から直接届く新鮮な野菜たち。 そこへパプリカやエスプレット唐辛子などを炒った香草パン粉。 丁寧に混ぜ混ぜしていただけば、 酸味の尖らないドレッシングと香草パン粉の香ばしさと生き活きとした葉菜とが、 絶妙に一体となって、素敵にうんまいサラダになる。 「クーリ」のあのお皿を思い浮かべて、 お皿の底に何か仕込まれていたりして(笑)と一瞬思ったことを、 お詫びしなければなりません。
お肉のメインとあらば例えば、「みちのく地鶏モモ肉のコンフィ」。下に敷いているのは、アンチョビのソース。 ぎゅっと閉じ込めた地鶏の滋味がその香りとともに品よく沸き上がる。 飴色にした葉玉葱とか原木椎茸などの付け合わせも、 ただの添え物に留まらない顔がそれぞれにあって、よいね。
別のお昼の魚介系メインは例えば、「鱈のブイヤベース」。お皿が運ばれてくる前に厨房から漂ってくる魚介甲殻類の芳しき匂い。 ああ、とろみを感じるくらいに濃密な魚介の旨み芬々のスープ。 蛤やムール貝、烏賊下足に鱈の身がそんなスープにひたひたと。 でもここにはいない食材たちがスープに沢山潜んでいるようで、 やや塩辛いと思うのは、その濃密さとのバランスゆえと捉えておきましょう。
八丁堀の裏道にやってきたフレンチ「CHIC peut-être シック プッテートル」。「CHIC」はそのまま、洒落たとか垢抜けたという意味。 そこに小さく添えた「peut-être」は、かもしれませんとかそんな場合もある、といった意味。 シャレた装いやちょっと気取った顔もするけれど、 堅苦しさを覚えずに気軽に訪れて欲しいという、そんな想いが籠められているそう。 「ほらほらお洒落でしょ!なんちゃって~f(^_^;) 」ってなところかな(笑)。
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「シック プッテートル CHIC peut-être」 中央区八丁堀3-6-3 [Map] 03-5542-0884 http://www.chic-peut-etre.com/
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