column/02920
Ristrante「KOUJI Cordiale」で 青物横丁の真っ当イタリアン
大井町で買い物を済ませて、駅前のロータリーからタクシーに乗って、下るは仙台坂。
第一京浜の横断歩道を潜って直進したタクシーを、
青物横丁の駅前を過ぎた辺りで停める。
降り立った交差点のビル3階にあるのが、
リストランテ「コージ コルディアーレ」。
今宵は、築地王ほかの皆さんで囲む忘年会。
青物横丁でイタリアン?なんて声がどこからともなく聞こえてきそうな、そんな感じもまた愉しい。
リースも飾った板張りの階段からアプローチ。
白基調がすっきりと温かな、正統に洒落たホールが迎えます。
テーブルにまず届いたのは、「有機野菜のバーニャカウダ」。
お皿には、アンチョビソースを中心に花開いたようにレイアウト。
この野菜って何?って話になって、「黒大根、黄カブに、紫人参、黄色いのが島人参で、これが金時ですね」。
そこで、ホールスタッフの勘違いを遮るように、「コールラビでは?」とその野菜の名前を説いたのが、ちょっと遅れてやってきたベジアナこと小谷さん。
一同「お~!」、さすが野菜ソムリエであるなぁと感心頻りであります。
続く前菜には、「和牛もも肉のカルパッチョ」。
そして、赤貝、ミル貝、ツブ貝、ホッキに帆立などの貝あれこれを生姜とエシャレットのソースでいただく「いろいろ貝のサラダ」。
ここで築地王、ちょうど刷り見本届きましたと取り出したのが「鈴与」三代目の生田さんとの共著、「築地じこみの魚の肴」。パラパラとページを捲ると、そこに書かれた肴のレシピはおよそ3ステップ。
ずらずらと冗長なレシピはお手製の酒肴には時に煩わしい。
グラス片手にキッチンに立つようなイメージが沸いてきて、写真も魅力的な実用派冊子だ。
スタイリングに奥さんが活躍の、「しずる!写真グルメガイド」の元さん宅で撮ったンだって。
お、それはもしや白子では~と覗き込むように受け取ったお皿は、
「北海道産真鱈白子とエリンギのフリット」。バルサミコソースのほの酸味を呼び水に、白子のとろんとそれを包む衣の好相性をぬははと愉しむ。
それはもう、エリンギの方はそっちのけ(笑)。
しゃかしゃかと豪勢に鏤めているのは、トリュフでありますなぁと再び覗き込んだお皿には「グリーンアスパラガスの炭火焼 温泉玉子と黒トリュフソース」。崩し溶いた温泉玉子にトリュフを混ぜ込んでソースにしちゃうというのは、
常套なれども、やっぱり反則だなって思っちゃう。
これまた待ってましたの牡蠣メニューは、
「大粒牡蠣と豆苗のクリームソース 手打ちタリアテッレ」。その名の通り、ぶりぶりっとした牡蠣がふっくらしたままクリームソースに包まれて、粉の風味の利いた平打ちパスタと主役を張り合ってるぞ。
パスタがもう一丁とは?というところでやってきたのが赤々と伊勢海老。
海老にはリングイネと誰が思い付いたのだろうねと思いつつ、くるっとして口に運ぶフォークの先。ぶりっと力強いその身はもとより、トマトソースにたっぷりと滲んだ海老の旨みがいい。
そうそう、新刊書籍といえば、晴れて築地まんがガイド「築地あるき」を発売して大反響という、おざわゆきさん&なべひろさんもご同席。色紙にさっとペンを走らせては、キャラクターがみるみる描きあがっていく様子を、なるほどそんな手際を重ねて一冊になっていったのだなぁと、感心しながら眺めます。
いやーそろそろお腹も満ちてきたぞーというところで、メインの登場だ。
それがステンレスの大皿に豪快に盛られた、
「乳飲み仔牛の骨付きロースの炭火焼 焼野菜添え」。黒板にはジェノベーゼソースとあったけれど、仕立て変更の紅いソースがソースペリグー。
盛り合わせのデザートを平らげて、ふー、満腹満腹。
幹事のジュネさん、メンバー紹介にぴったりのしおり作成お手数さまのつきじろうさん、いつもコンビのGingerさん&eatnapoさん、まいどのromyちゃんに祝ご結婚佃の旦那さんにもご同席多謝、ありがとーございました。
下町ノリの青物横丁で洒脱真っ当イタリアン、リストランテ「コージ コルディアーレ」。“コージ”はそのままシェフの名、”浩次”から。
“コルディアーレ”とはイタリア語で”真心のこもった”という意味だそうです。
「KOUJI Cordiale」
品川区南品川2-17-18 3F[Map] 03-5461-3762 http://www.kouji-cordiale.com/