
都内にある煮干出汁の中華そばの店と考えて思い浮かぶのは、王子「伊藤」か、浅草「つし馬」か。
はたまた新宿「凪」か、新大久保「めとき」か。
そんな中の一軒、
「つし馬」で煮干中華の盛夏向けバージョン。
「冷やし煮干そば」を出していると知っていざ浅草。
観音通りのアーケードへとやってきました。
扉を開けて店内に入った時の煮干の風味にふわんと包まれる感じがいい。
やっぱり、限定「バリ煮干そば」も気になるよなぁと思いつつ、
券売機の「冷やし煮干そば」のボタンをぽちと押します。
めっちゃズレたタイミングでお釣がでてきてずっこけたものの(笑)、
すんなりとカウンターの隅で出来上がりを待つひととなります。
見た目はもう、温かい「中華そば」そのもの。

もしや間違ったりしてないよねとどんぶりに触れると、確かに冷たい。
早速蓮華を取り出して、醤油の褐色に澄んだスープを啜ります。

うんうん、なるほど。
印象としては、「中華そば」のスープをそのままゆっくり冷やした感じ。
可能な限り脂を排し、あくまで透明感のある中に旨みがぎゅぎゅっと含んでいる。

温かいスープでも濁りないように仕立てるのはなかなかの技量を要するのではと思うのだけど、それが冷たくなるとさらに誤魔化しが利かなくなる気がする。
若干のエグみも醍醐味だなぁと感じ入るところであります。
どんぶりの縁に書かれた「青森 煮干」の文字を眺めながら啜る麺は、きゅっと冷水にシメる様子が思い浮かぶような、適度なしゃっきりテクスチャー。

冷たいスープにも親和して、持ち上げも悪くない。
ああ、「冷やし煮干そば」。
ぎんぎんに暑い日にもう一度食べたいな。
煮干中華そばの雄の一角をなす、浅草「つし馬」。

世の中には意外と煮干嫌いなヒトがいるらしいけど、
煮干が齎してくれる旨みや風味がボクは好き。
だからまた、煮干パラダイスのひとつとして思い出す度に訪ねると思います。
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中華そば「つし馬」で 青森煮干の中華そばと特濃バリ煮干し旨し(09年11月)
「つし馬」
台東区浅草1-1-8 [Map] 03-5828-3181
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