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やき鳥「さくら家」で ピンク刺し豆ヒゾー寒雀おばあちゃんの笑顔

以前より、八丁堀~入船エリアで焼鳥屋と云えば、古くから此処だぜ!と聞いていたお店があります。
幾度か空席有無の電話を入れたことがあるのだけど、毎回決まって「ごめんなさいね~」。
結局なかなかお邪魔する機会なく、ずっと脳裏の片隅にちょんとひっかかっていました。

新富町駅近くの市場通りから目に留まる、
ぽってりとしたフォルムの赤提灯。
そこに書かれた「さくら家」が、
その焼鳥屋の店名です。

6時半までなら可能という、
予約時間に間に合うように、到着。
暖簾の先に頭を入れると、
ふわっとした熱気に包まれる。
左手のカウンターは既に、
呑兵衛さんたちのにこやかな笑顔で埋まり、
ほっこりとした賑やかさに満ちています。

お願いしていた椅子席は、
突き当たり辺りにあるのだろうと奥へと進むと、
その先がL字に右に折れていて、
そこにテーブルが奥に向かって並んでいます。

お店の外の表情と間口からは、
想像できなかったねぇと顔を見合わせながら、
一番奥のテーブルへ。

卓上には、裏表のお品書き。 お品書きを横目に、
「どうお願いするのがいいですか?」と訊くと、
「では、七、八本ほどみつくろいましょうか」と、
艶やかな笑顔のおばあちゃん。
ではそのようにとお願いして、まず乾~杯ぃ。

佃煮風のお通しは、
ウスターソースを利かせた意外な逸品だ。

そして、芋焼酎「久耀」を届けてくれたおばあちゃんが、
「お刺身、盛り合わせ、しましょうか」と仰る。
うんうん、もうおばあちゃんに云われると、
なんでも貰いたくなっちゃう。
商売上手なんだからぁとか云いながら、
いただいたお皿が「徳用三点盛りサシミ」。 澄んだ甘みが嬉しいササミ、
とろんとしてるのは間違っても古いからじゃない、
ピンク色したクリーミーレバーに、
さくぅという歯触りが官能の砂肝。
淡、艶、濃のピンクのグラデーションに、
なはは、おばあちゃん、いいねいいよ。

さてさて、まずの串たちが、
つくね、砂肝、ミツバ巻き。 タタキ加減もタレのキレも、うんうんの「つくね」。
三つ葉をササミで巻くとは、
そういう出会いがあったのね~、の「ミツバ巻き」。
「砂肝」にはさっきの刺身同様、
軽さの中にある滋味だ。

続くお皿には、豆とヒゾーの串。 ぼんじりの小さいのみたいな「豆」がイケる。
「ヒゾー」は、ころんとしたレバーのようで、
如何にも小さな臓器という感じ。
張りがあるのも鮮度のいい証拠なのだろうね。

そして、「鳥なんばん」に「合鴨なんばん」。 合鴨独特の風味と獅子唐の青みが絶妙で、おー、旨い。

雪隠の手前で気づいた貼紙には、「寒雀」とあった。
あばあちゃんに、あれってなぁに?と訊くと、
「雀は今が旬なのよ~」と仰る。
雀に旬があるンだ、
そうかジビエってことかことなのかもねと思いながら、
当然お願いすることに(^^)。 タレしっかりめで焼かれた雀さんは、
硬いばっかりかと思ったらさにあらず。
ほんのりした野生の旨味に、
後からスジっぽさが追いかける感じで、面白い。

そして最後に「特製スープ」は如何と、おばあちゃん。 うんうんそれそれ、と玉子綴じの鳥スープ。
ああ、すっかりおばあちゃんのペース、
だったじゃん、もう。
でも、それが良かったのかも(^^)。

入船で賑わう老舗焼鳥屋、「さくら家」。 暖簾に「鳥やのやき鳥」とあるのは、
茅場町「宮川」等のように、
元は鶏肉の卸だったりするのかなぁ。
そんなことを訊ねにまた、
おばあちゃんの柔らかな笑顔の前へとお邪魔したいな。

「さくら家」
東京都中央区入船2-2-1 [Map]
03-3551-4878

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