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Bistro「慈雨」で牡蠣ライスコロッケ桜王豚ロースト裏銀座竹瓦小路に高崎山うみたまご

由布院温泉「山荘無量塔」の音の美術館「artegio(アルテジオ)」で催された大橋トリオのライブに大満足したあの日。
暗がりの山道を徒歩で辿り着いた宿は、”温泉保養集落””現代湯治宿舎”を謳う「束の間」でした。
世話になった離れの手作り感溢れる半露天の風呂には、
97度の源泉がそのまま引かれていて、
剥き出しのパイプのハンドルを回せば忽ち、
高温の湯気が立ち上がる。
湯加減を確かめつつ入った朝風呂も良かったなぁ。

快晴の青空をバックにした布由岳を、
由布院駅の駅前からしばし眺める。 次はいつ来れるかなぁと思いつつ、
特急ゆふ1号で別府へと向かう。
そういえば前回来た時は、
特急ゆふいんの森の先頭車両だったね。

別府駅の東口を背にしてロータリーを出て、
海に向かってなだらかに下って行き、
信号機の表示にふと右手を振り向くと、
「ソルパセオ銀座」の横断幕。 別府の街を南北に通る、
昭和なアーケードのひとつだ。

ポップで大きな暖簾の下をそのまま、
アーケードの中央を往けばいいものを、
へそ曲がりは、その左手の路地へ入り込む。 その路地の名は、”銀座裏通り”。
立派なアーケードたる銀座通りのすぐ脇を、
付かず離れず並行して走る、まさに裏通り。
夜には間違いなく妖しさが増す裏通りには、
週末の金土日しか営っていないのが悔しい、
ぎょうざの「湖月」とか、
伝説のバーテンダーがシェイカーを振るという、
COCKTAIL BAR「峰」なぞ、
気になる店が散在している。

北浜通り、新宮通り、梅園通りを突っ切り、
そのまま真っ直ぐに裏通りを進むと、
いよいよ昼なお妖しく如何わしい気配がしてくる。
少し開けた駐車場の小さな案内板に、
“竹瓦温泉”の文字を見付けて、
左に折れて進むと竹瓦温泉の前に出る。 唐破風の庇廻りはやっぱり実に味がある。
前回別府を訪ねた際にも、
ここの前までは来たものの、
湯に浸かる機会は作れなかったンだ。

今回は必ずひと浴びしようと話しつつ、
振り返ればそこには、
竹瓦小路アーケードの入口が口を開けている。 1921年(大正10年)12月に完成したという、
なんと、現存する日本最古のアーケード。
見上げた先には、木造硝子張りの屋根。
残念ながら活気のある様子ではなさそうだけれど、
風呂上がりにこの辺りで一杯ってのも、
ってな気にもなってくるね。

竹瓦小路を通り過ぎて、その先の秋葉通りへ。
この日の宿「HAJIMARI Beppu」に荷物を預け、
中浜筋からふたたびアーケードのゲート前。 ソルパセオ銀座を反対側から散策するように歩き、
竹瓦温泉通り、梅園通り、新宮通りを抜け、
さらに往くと、左手に見えてきたのが、
トリコロールのスタンドサイン。

三年前に別府を訪れる際に、
「油屋ごはん」のエマさんにおススメいただいた、
ビストロ「慈雨」に漸くの予約を入れていたのです。

ブルーオリゾンかブルーベベかという感じの、
ブルーグレーの枠のドアを引き開けて、
予約の名を告げる。 迎えるカウンターは、Jの字型の全8席。
その奥寄りに厨房が控えているようです。

ふと見上げた頭上には、
機能としては不明な木板が壁から迫り出している。 そこには、一面にみっしりと、
エチケットが張り込められている。
そのために板を設えたのか、
それともデザインの意図からなのか。

カウンターの一番手前に陣取ってまずは、
大分クラフトビール「モンキーマウンテン」の、
カボスジンジャーエールABV5%。 カボスで、ジンジャーで、エールなビール?
と問いかけると、えへへへーと応える店主さん(^^)。
なんとも可愛らしいお猿さんのラベル。
これはやっぱり野生のニホンザルが生息するという、
高崎山に肖ってのことなのでしょうね。

王冠にも同じイラストが描かれているねと、
話しつつグラスを傾ける。 あああジンジャーだ。
ああああカボスだ(^^)。
うんうん、面白くも爽やか旨いエールだ。
なんか、高崎山で猿が呼んでいるような、
そんな気がしてきた、かも?

ランチのBの魚と肉とを選ぶと、
すぐにスープがやってくる。 野菜たっぷりのミネストローネ。
作り手の良心のようなものを感じさせるような、
そんなスープに安らぎます。

続いて、前菜の盛り合わせ。 オレンジとクミンが心地いいキャロットラペに、
赤玉葱と葱のピクルス。
サラダ南瓜のピクルスの上には、
豚と鴨の所謂パテドカンパーニュ。
手前の球状は、牡蠣でつくったライスコロッケ。
それが、子羊でつくったリエットと並ぶ。

ライスコロッケをパカリと割ると、
成る程、中にはお米の粒たち。 そして、そこに焼いた牡蠣のいい匂い。
牡蠣のガンガン焼きを思い出す(^^)。
牡蠣のリゾットを丸める感じかなぁと、
想像しながら平らげます。
いいね、牡蠣のライスコロッケ。

パンを齧りながら待っていると、
相棒ご註文の、ヒメダイ鱗焼きがやってきた。 秋野菜と魚からとった出汁を煮詰めた、
コンソメをソースに敷いている。
足許には銀杏、栗、薩摩芋がコロっと。
鱗のパリパリが真骨頂だけれど、
食べながら頷いているところをみると、
どうやらその点も合格点、らしい(^^)。

鶏、豚、子羊、鴨から選んだのは、
「桜王豚(さくらおうぶた)ロースト」。 JA北九州ファームのWebサイトによると、
「桜王豚」は、豊かな緑と静かな海に囲まれた、
大分県国東市の安岐農場育ちのSPF豚肉だという。
ソースは、バジル、ヘーゼルナッツ、
胡麻をつかったジェノベーゼ。
サクサクした肌理と柔らかな歯応え。
脂が強すぎず程よく甘い。
そして、こんなジェノベーゼもあるのだね。
豚の下に敷くはレンズ豆に落花生。
レンズ豆が何気にたっぷりで嬉しい。

ご馳走さまっ、と店を離れてから急遽、
クラフトビール「モンキーマウンテン」と、
そのラベルに誘われるようにして、
別府湾沿いの国道10号で高崎山の麓まで。 国道を渡る長い歩道橋を渡って行くと、
欄干で猿が「こっちや!」とその先を指差す。

渡り切って階段を降りていくと、
お兄さんがプラカードを首から提げて待っていた。 なんだろ?と近づくとなんと、
現在サル0頭、と書いてある。

そうか、野生の猿がゆえ、山に入ってしまって、
サル寄せ場にまったくいないこともあるのだ。
行けばいるもんだと、
疑いなく思っていたのは浅はかであった…。 すごすごと降りたばかりの階段を上がり、
歩道橋を引き返すと、その横で猿も、
引き返していくようにすたすたと(^^)。

やれやれーと思いつつ、
その歩道橋を渡り戻った場所にあるのが、
大分マリーンパレス水族館「うみたまご」。
ダイビングしていた頃を思い出したりして、
水族館ならどこでもWelcomeなのだ。 イルカプールにはじまる外回りの施設と、
二層の建物内とに様々なテーマの展示施設があり、
なかなかの見応えに、
縦横に歩き回ったのでありました。

別府の街を南北に通る、
昭和なアーケードのひとつ「ソルパセオ銀座」。
その中程に、Bistro「慈雨」は、ある。 店名「慈雨」について訊ねると、
元のオーナーがいらして、
その方が色々と考えて名付けられた店名を、
現店主がそのまま引き継いだものだそう。
“農家さんへの恵みの雨”というような、
そんな考えからのことだったかと、と。
頭上に設えた板にエチケットを張り込んだのは、
元のオーナーと現店主とおふたりで。
元オーナーと一緒に働いていた現店主が、
一年ほど前に買い取って、今に至るのだそう。
カウンターの天板を木目に復旧したりと、
それなりに手を入れたんですと仰る。
エマさんに紹介いただいたんですよーと告げたら、
なんと、あれ?明日来ますよ、だって(^^)。

「慈雨」
大分県別府市北浜1-4-22 [Map]
050-6876-7025
https://www.instagram.com/le.jiu_beppu/

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