「島イタリアン」タグアーカイブ

島イタリアン「en」で西表島猪カルパッチョに石垣産鮪レアカツ西表島牛ラグーソース

初めて訪れた八重山諸島のひとつ、西表島での二日目のこと。
マーレ川からヒナイ川へとカヤックを漕いで遡上し、上陸ポイントからはジャングルの木々の中の岩場の間をえっちらおっちらと辿り登った。
視界の開けたその場所にあったのが、沖縄県最大の落差約55mを誇る滝、
ピナイサーラの滝だ。

おおおおおー。
大きな岩の上で、呼吸を整え乍らしばし、
その瀑布の表情を口を開けっ放しで見詰めた(^^)。
冷たい冷たい滝壺にひーひー云いつつ泳ぎ出し、
岩に掴まりながら滝壺の中から見上げた、
滝口とその先の青空のシーンも印象に残る。

ホテルに戻り、シャワーを浴びて、ひと息入れて。
そんな昼下がりに出掛けたのが、
ホテル近くの喫茶「唐変木」。
おばぁが拵えてくれた「イカのスミ汁そば」も、
「ソーキカレー」も素朴に美味しくて、
ゆったりした島の時間を満喫させてくれる、
何気に貴重なひと時でありました。

そのままプールサイド辺りでのんびりと過ごした、
そんな夕暮れ時。
予約していたレストランへ向かおうと、
ホテルへの導入路を抜けて、
西表島の外周路、
白浜南風見線を上原港方向へ歩きだす。

もう少し行けば「星砂の浜」への入口辺り。
徒歩15分程で到着したのは、
椰子に囲まれた一軒家。 島イタリアンと謳う「en」で、
南の島の夕餉と洒落込もうという、
そんな企みなのであります(^^)。

南の島のイタリアンと云えばふと、
小浜島の「nascondino手々」に、
石垣島市役所通りの「いゆ」あたりを思い出す。

こんばんはーと入口ドア開き入ると、
左手隅のテーブルにご案内いただいた。 壁の白と木部の茶が基調の店内。
入って右側の開口部をふとじっと見ると、
アルミサッシュのドア枠が残された、
そこが旧来のこの建物の入口のように見える。
ということは、こちらサイドはおそらく、
増築した部分なのではないのかな。

メニューをみるとどうやら、
ワインはフルボトルで注文して欲しいご様子も、
吞み切れない可能性もあるので、
そこは素直に、ハウスワインの白をグラスで、ね。
島ゆえの事情、ってのもあるのかもしれません。

「青パパイヤとミミガーのサラダ」なんてのも、
気になるねぇなどと話しているところへ、
「西表島イノシシのカルパッチョ」が届いた。 きっと初めて食べる猪のカルパッチョ。
謂わば、半生ジビエか。
ルッコラや大蒜チップを添えて、
赤い紅いその身を口に運ぶ。
癖なく、案外すっとした味わい。
そーっと滋味がひたひたとくる感じ。
ぬらぬらとオイルでマリネしているのが、
美味しくいただくキモなのかもしれないな。

お次に届いたのが「石垣産まぐろのレアカツ」。 キハダマグロの分厚い柵を薄い衣で揚げている。
オレンジ色のソースが意外や意外、辛いw。
島唐辛子に柚子胡椒を使っているそう。
人参シリシリかと思った、付け合わせは、
キャロット・ラペ的人参のサラダ。
やっぱり、素っ気ない系の鮪はこうして、
手を入れ、火を入れてあるのがより旨いなぁ。

グラスワイン以外でと、
悩んで辿り着いたのが、サングリアの白。 少々変わったお味のサングリア。
色々と入っているようで、
ふむふむ、なんか面白い(^^)。

キュキュキュキュー。
天井でヤモリが鳴く。
すると、嗚呼、南の島に来ているなぁと、
そう実感する瞬間だ。

メインディッシュの項から選んだのが、
「鮮魚のアクアパッツァ」。 この日の魚はスズキ目ニベ科のシログチ(白愚痴)。
関東では「イシモチ」、西日本では「グチ」。
釣り上げると、浮袋を使って「グーグー」と鳴くのが、
愚痴(グチ)をこぼしているように聞こえることから、
そう呼ばれているらしい。
お味は、上品にして淡泊。
魚自身の旨味に蜆の旨味が加わった、
乳化させたソースでその淡泊さをフォローしている。
けれど、もう少し油分が欲しいかもー、
と思う瞬間もあるのが正直なところか。

そう云えば、西表島初日の夕刻に伺った、
居酒屋「Hook by BRIDGE」で、
ガーリックバター焼きにしてくれた地魚は、
初めて聞く魚の名前「ガクガク」だった。
沖縄や八重山で「ホシミゾイサキ」のことを云って、
釣り上げると、浮き袋を震わせて、
「グーグー」とか「ガクガク」と鳴くことから、
そう呼ばれているイサキの仲間。
同じような鳴き声をして、
でも別の呼び名がつくってのも面白いね。

〆にパスタをと「西表島牛のラグーソース」。 一人前普通盛り、80g。
黒毛和牛であろう、石垣牛ならぬ西表島牛が、
島内のどこで飼われているのかは分からない。
コンビーフみたいと相棒は云うが、
でも、固形チックな、ゴロっとしたラグーには、
良き牛の味そのものがしっかりとある。
ボリュームや脂や大蒜で大味に攻める、
そんなパスタは、もういらない。
こんな量の加減で、旨味の芯が通っている、
こんなパスタがこれからも食べたい(^^)。

西表島は、上原地区。
星砂の浜入口近くの白浜南風見線沿いに、
島イタリアン「en」は、ある。 島の食材をメインしたイタリアンとワインの店。
店名の「en」は、ご縁の”縁”。
南の島に来て、ご当地の食材を工夫して、
イタリアンに仕立ててくれる店があるって、
もうそれだけで有難い。
ここでこの日に夕餉をいただけたのも何かの縁。
島では手に入らない食材やワインの仕入れには、
きっと苦労もあるだろうし、
繁閑のバラツキもなかなかにシンドイかもしれない。
それだけに、なおのこと有難いのだ。
「en」にお越しの際には、
土日が定休日なのでご注意くださいね。

「en」
沖縄県八重山郡竹富町字上原870-192 [Map]
0980-85-6457
https://www.instagram.com/shimaitarian.en/

column/02977