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bistro「guccho」で玉蜀黍洋風茶碗蒸し平目ポアレ鴨胸肉瀬田唐橋建部大社と東レ城下町

滋賀・大津への旅の主目的のひとつ、玉置浩二のライブが行われた滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールは、ゆったりとして音の響きが豊で、いいホールだという印象が残る。
相変わらずMCなしのステージだったけれど、玉置の歌いっぷりはやはり流石で、とてもいい時間だった。

大津裏通りの居酒屋「おで湖」で一献傾けてから、
琵琶湖を一望する琵琶湖ホテルに世話になった。
その翌朝、石場駅から2両編成で向かったのは、
京阪石山阪本線の唐橋前駅。

無人駅の改札を出て、踏切を渡り、
旧東海道を瀬田川の方向へとのんびりと歩く。 するとすぐに瀬田川を渡る橋に辿り着いた。
欄干の支柱には堂々と「瀬田唐橋」の文字。

その支柱に載った擬宝珠の付け根を何気なく、
ぐっと近づいてみると、
何やら文字が刻まれていた。 緑青色の擬宝珠には、「近江國勢多橋」とある。
瀬田の唐橋は、京都の宇治橋、山崎橋と並んで、
日本三大橋のひとつとされてきたらしい。
歌川広重の浮世絵「近江八景・瀬田の夕照」にも、
往時、描かれるほどに風光明媚な場所だった。
瀬田川に架かる唯一の橋であった瀬田の唐橋は、
交通の要衝かつ京都防衛上の重要地であって、
その歴史上、瀬田橋、勢多橋、勢多大橋、
勢多唐橋、瀬田の長橋、搦橋、青柳橋などと、
様々な名で呼ばれてきたようだ。

瀬田の唐橋を対岸へと渡り、そのまま進むと、
見えてきたのは「建部大社」と大きく示す標柱。 一の鳥居を潜り参道を往き、
左手に折れると二の鳥居が迎えてくれる。

その参道の右手にあった案内板の表題には、
「幻の千円札」とある。 昭和20年8月、
当時の最高額紙幣として発行された、
日本で初めて作られた千円札には、
その図柄に建部大社のご祭神である日本武尊と、
建部大社の社殿が使用されており、
発行された枚数が極めて少ないため、
幻の千円札と云われているのだそうだ。
その希少性からか、ちゃっと調べた買取相場は、
未使用品で20万円〜25万円程度、
並品でも10万円前後と非常に高額みたいだ。

神門を潜り、御神木の三本杉を横目に進む。 近江國の一の宮「建部大社」のご祭神は、
幻の千円札にも描かれた日本武尊と、
大己貴命(おおなむちのみこと)。
源頼朝が平家に捕らわれた際には、
当社に参拝して前途を祈願し、
後に源氏再興の宿願を果たした頼朝は、
再び社前で祈願し、
多くの神宝と神領を寄進したという。
以来、出世開運、除災厄除、商売繁盛、縁結び、
医薬醸造の神として信仰を集めている、という。

こじんまりとしつつカタチのいい拝殿で、
お詣りして御朱印をいただいて、
クルマを拾って京阪石山駅方面へ。 京阪の車窓から工場群を眺めたように、
石山駅の南側一帯は、
東レ滋賀事業場の城下町となっているようで、
商店街の入口には門柱があったりする。
その東レ門を入ってすぐの右手にある、
一間半ほどの間口のお店が、
この日のランチ処なのであります。

店内に入って予約の名を告げる。
左手に4人掛けのテーブルが3つ、
左手に2人掛けのテーブルが3つ並ぶ。
その2人掛けのテーブルへと案内いただいた。
突き当たりが厨房になっていて、
フロアと厨房とを仕切る腰高の家具の間に、
煽り戸を据えて結界を守っています。

東レの関係者の方々、というよりは、
ご近所の奥さま方たちが、
お喋りもしたくってのランチタイム、
というテーブルが幾つかみられる。
ねーねー、ぐっちょ、行かない?
いくー!喋るー!みたいな(^^)。

ちょっと奮発して、
ランチのBコースをお願いする。
最初に届いたのは、季節のスープ。 題して、焼き芋のポタージュ カプチーノ仕立て。
焼いた芋の芳ばしさを漂わせつつ、
濃密に仕立てた美味しいスープだ。

続いての、前菜盛合わせは、
その名の通り、丸皿へのワンプレート。 玉蜀黍のピューレによる洋風茶碗蒸し、
クスクスのサラダ、鶏レバーのカナッペ、
鶏腿肉の冷製、鮪と焼き茄子のピューレ、
茄子と青さ海苔のフリット、などなど。

あれ?っと思い出して催促しちゃったのが、
自家製レモンサワーの中から選んだ、
ウォッカベースレモンサワー。 ベースは他に焼酎、ジン、ホワイトラムとある。
檸檬感をもう三倍くらいにしてくれると、
らしい美味しさになるような気もするw(^^)。

そんなグラスを片手に、
玉蜀黍は、洋風茶碗蒸しになっても、
やっぱりズルいんだねー、とか。 そうか、鮪にかかった不思議な色味のソースは、
焼いた茄子のピューレなのかー、
ほう、酸味を利かせているんだー、とか、
青さ薫って茄子のフリットは美味しいねー、とか。
あ、無花果が隠れてたー、とか。
周りのテーブルに負けないようにお喋り、
でもまったく敵わない(^^)。

メインの前のひと皿には、
鮮魚のポアレ 山栗とキノコ 茸の泡。 本日の鮮魚は、平目。
その下にキノコたちをたっぷりめに敷いていて、
そこに何気に栗が隠れている。
スープに続いてここでもエスプーマが活躍。
じっくり火を入れた平目の皮目の香ばしさ。
根っこのついた野菜はみんな、
芹にみえてくるね(^^)。

メインに選んだのは、
鴨ムネ肉のロティ 赤ワインソース。 鴨肉らしい身肉の味わいに、
皮目の芳ばしさが加味して、いい。
古典的なオレンジソースやマデイラソース、
バルサミコ酢のソースも似合うけれど、
シンプルに赤ワインを煮詰めたソースも、
また悪くない。
カリカリに脱水したポテトも何気に美味しいね。

デザートのグラスには、
レアチーズのクリーム、シャインマスカット、
ヨーグルトのアイスにレモングラスのジュレ。 透明感のある爽やかな印象のデザートだ。
レモングラスの風味って、好きなんだよなぁ。

琵琶湖湖水が瀬田川となって流れ出る辺り。
京阪石山駅最寄りの東レ滋賀事業場の城下町に、
bistro「guccho」は、ある。 “guccho”とは、オーナー嶋口さんの綽名から。
綽名がそのまま”グッチョ”だったのか、
フレンチっぽく”グッチ”転じて”グッチョ”としたのか。
奥の厨房に向かって無垢の床材が真っすぐに伸びる。
京町家のように間口が狭く奥行きの深い造りが、
加減よく籠る感じもあって、いい。
ご近所さんたちの美味しいオアシスでもあるンだね。
ご馳走さまでした。

「guccho」
滋賀県大津市粟津町17-14-2 リアル石山ビル1F [Map]
077-572-7881
https://bistro-guccho.net/

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