「オヤジ吞み」タグアーカイブ

串かつとん焼「八幡屋」名駅本店で串かつとん焼き肝唐揚げ赤棒どて煮のんき屋の並び

今回の伊勢志摩~名古屋への旅の目的のひとつにして切っ掛けとなったのは、名古屋は金山にあるNiterra日本特殊陶業市民会館で行われた大橋トリオのライブ。
16枚目のオリジナルフルアルバム「GOLD HOUR」の楽曲を軸に、ライブで聴くのは初めての曲から一本マイクのコーナーでのカバー曲たちまで、またまた大橋トリオの魅力を堪能した夜でありました。

その翌日の午後に足を向けたのは、
笈瀬川筋沿いにあるご存じ「ノリタケの森」。 いつぞや一度さっと訪れたこともあったけど、
相棒と一緒に改めて、そしてのんびりと巡ってみた。
アプローチからすぐにお目見えする赤レンガ棟は、
1904年(明治37年)に建てられた、
日本陶器合名会社の工場の当時の建屋で、
現存する唯一のものだという。
赤煉瓦っていうのはどうしてこう自然と、
ノスタルジックに心地良い気分にさせるのでしょうね。

ノリタケミュージアムで、
幾多の陶器たちを見学していると、その中に、
嘗ての帝国ホテル・ライト館を設計した、
フランク・ロイド・ライトがデザインした、
テーブルウェアなぞを見付けた。 復刻デザインの陶器が、
もしかしてショップにもあるのではと、
寄ってみれば大正解(^^)。
手に取ってそのまま、
レジへと向かったのであります。

そんなことをしつつそろそろいいかと、
笈瀬川筋を名駅通りの牛島町信号方面へと。 嗚呼、案の定の行列だ。
のんびりしていて開店時間を少々過ぎてしまったし、
それも仕方ないと最後尾に並んだのは、ご存じ、
串かつとん焼「八幡屋」名駅本店の行列であります。

酷暑の中、行列に並びながら視線をその先に遣ると、
同じ串かつとん焼き「のんき屋」の袖看板が見える。 何度お邪魔したかなぁ。
出張の帰り際にはほぼ必ず「のんき屋」に寄って、
入れ込みのテーブルの一角に座り込んで、
「串かつ」や「どてやき」なんかで、
一杯、二杯と呑ってから新幹線に乗り込んだものだ。

でもこの日は、お初の「八幡屋」なのだと話しつつ、
じわじわとしか進まない行列。
何気なく店先を眺めていると、
行列とは別のところからどんどん入っていく客がいる!
あれ?と思って店のインスタを見てみると、
どうやら予約が出来るらしいと知った。
こふいふスタイルのお店は予約出来ないと、
勝手に思い込んでいて、しまったしまった(^^)。

結局、なんと二時間近くも猛暑の中待つことに…。
もう一度新幹線の時間をずらした頃に漸く、
行列の先頭までやってきた。
ふう(^^)。

行列の先頭からじっと見る「八幡屋」の店頭は、
宛らオープンキッチン。 右手の壁に向かって油の鍋があって、
そこからどしどしどんどん串かつが揚げ上がる。
そのすぐ脇に隙間なく置かれた焼き台では、
串の焼き物がどしどしどんどん焼かれていく。
店の大将らしき貫禄のオヤジさんが、
周囲の状況に気を配りつつ、指示を飛ばしつつ、
素早く手早くテンポのいい所作に、
暫く見惚れてしまいます(^^)。

そうかと思えば今度は、
さらにその隣に鎮座している、
どての丸い鍋の世話をしつつ、
焼いた串に赤茶色い汁を絡めている。 「のんき屋」のそれもそうだけれど、
八丁味噌の汁が沸いて湯気を上げていて、
周りの縁にデロっと零れている景色が好きだ。

漸く案内いただいたのは、
どての鍋を横目に店内に入り、
そのまま進んですぐのテーブル席。 大阪の串かつ・串揚げの店同様の、
千切るようにカットしたキャベツは、
小皿に小分けして供してくれる。
でも、ソースの二度漬けなしよ!とすべき、
ソースの容器は見たりません。

酷暑の中長く待って、
漸く辿り着いた赤星。 ぐびぐび、ぷっふぁーー。
くーーーーーっ。
もう、これが旨くない訳がありません(^^)。

最初に届いた串は、「肝焼き」。 あー、焼いた肝に絡んでいるのは、
どての味噌ではなくて醤油ベースのタレだ。
なんか、塩焼き以外のものはみんな、
八丁味噌味だみたいな気分でいたけど、
大間違いの大勘違い、ただの思い込み。
どての鍋の横にあったステンレスの丸盆みたいなのが、
タレのバッド代わりなのかもしれないな。

ソース、味噌、タレ、塩コショウと、
「串かつ」には、4つのバリエーションがある、
というので、二本を塩コショウで、
もう二本を味噌で。 こうしてみると、素の表情の串かつと、
どての味噌どっぷりの串かつとの違いが面白い。
衣のサクっとしたところを愉しむのも良いし、
味噌ダレの風味とともに味わうのもまた良き。
どっちかなんて、選べない(^^)。

熱いので気を付けて、と「肝唐揚げ」。 ふーふーふー。
うんうん、いい感じ、旨い。
なんか、胡椒の風味も感じる。
さっきの醤油ダレの肝焼きとは、
まったく表情が違って、
肝ならこっちが好みかな。

「心臓」、所謂ハツは塩焼きでやってきた。 独特の歯触りは、ハツらしい。
ハツの串といえば、鶏もあれば牛もある。
ここでは当然豚のハツかと思うし、
大きさから鶏ではなさそうだけれど、
牛のものだったりしたら面白い。
なんてひねたことを思ったりなんかして(^^)。

「とん焼き」には醤油ダレがたっぷり。 これは、シロあたりかなぁとじっと見る。
とん焼き、やきとんと云っても、
豚の色々な部位が使われるもんね。
鳥皮みたいな食感だ。

「ネギマ」はふたたびの塩焼きで登場。 長葱の間に挟まっているのは、ハラミあたりか。
噛み千切るようにしてから咀嚼すると、
じわじわどんどん旨味が湧いてくる。

店先のどての鍋のある光景を、
テーブルからもう一度鑑賞する。 時折世話をする手が伸びる。
うんうん、やっぱりいい景色だ(^^)。

そこへ、おでんのふた品がやってきた。
「たまご」に「赤棒(はんぺん)」だ。 「赤棒」とはどうやら、
名古屋ローカルなおでん種のひとつであるらしく、
括弧書きに”はんぺん”とあるように魚の練り物で、
成る程確かに、赤というかピンク色をしてる。
面白いねぇ。

今煮ているのでもう少々お待ちください、
ということで、最後にやってきた、「どて煮」。 店頭の大将らしき旦那が直接届けてくれた。
豚モツらしき串をすっかり色が沁み込む程に、
じっくりと煮込んでいるようで、
こっくりとして、うんうん、美味い。
当初は濃いぃなぁとばかり思っていた、
八丁味噌の魅力にだんだん開眼していくような、
そんな気にさせてくれるから不思議だね。

なんだかすっかり満足して、
店先で御愛想を済ませて振り返れば、
本日のご案内終了のお知らせ。 16時開店の土曜日では基本、
20時L.O.で20時半閉店とされているも、
材料がなくなり次第閉店でもあって、
18時には案内終了となっている様子だ。

名古屋駅の東側を南北に抜ける名駅通りから、
笈瀬川筋へ分け入る牛島町信号近くに、
串かつとん焼「八幡屋」名駅本店は、ある。 1954年(昭和29年)創業の「八幡屋」名駅本店。
ふと、並びの「のんき屋」はいつなのかと思えば、
なんと、同じ1954年の創業であるらしい。
時期を同じくして、同じ串かつ・とん焼きの店を、
たった10数mの距離の近隣地に興したなんて、
両者にちょっとした関りや物語があったとしても、
なんの不思議もないけれど、どうなのだろう。
さらに並びの串やき「五條 名驛」という、
もうひとつの選択肢を気にしつつも、
次回もきっと「八幡屋」名駅本店へ。
あ、ところで「八幡屋」には”支店”もあるのかな。
いずれにしても今度は必ず、
予約してから向かうんだ(^^)。

「八幡屋」名駅本店
愛知県名古屋市西区名駅2丁目18-7 [Map]
052-571-3945
https://www.instagram.com/yahataya.kushikatu/

column/02931