
たったひと駅乗るのにも、何本も通過電車を見送らなければならない駅。
踏切と国道の間にあったとんかつ店もいまはもう閉めていて、一抹の寂しさを誘います。
その踏切を渡ってすぐ、
旧東海道へも至らぬうちに右手へ折れた住宅地の裏道にあるのが、
カレーハウス「ロビンソンクルーソー」。
コック帽を被った愛らしいキャラクターが迎えてくれます。
席に着くとノートを渡されました。
記帳をしてくれ、という。
そして手渡されたのが、手作り感ある「会員証」。
これがあれば、次回から割引してくれるんだって。
なんだか急に常連になったような、
そんな気分でお願いしたのが「北品川カレー」。
ご当地的感覚でなんとなく選んだのだけれど、
炒めたほうれん草がキーアイテムというのは、
北品川とどういう関係があるのだろう。
ついでに、「品川海苔」もトッピングしてみます。
「八ツ山」「御殿山」「高輪」、
そして「江戸前」「東京」「日本橋」。
「ロビンソンクルーソー」のカレーたちは、
どこか銀座「ニューキャッスル」をふと、
思い起こさせるようなラインナップ。
それぞれに、中華風カツ、挽肉、揚げ鶏モモ、
シーフード、カレー&ハヤシ、ハヤシと、
括弧書きがあるけれど、
なぜその名前かは判然としない。
壁の額には、
石ちゃんのサイン色紙なんかが掲示されていて、
それを取り囲むように、50とか150とか360とか、
そして5000なんて数字が並んでいる。
その数字がなにを示すかと云えば、
“辛さの倍数”で、つまりは50倍、150倍辛いっつーことらしい。
5,000倍なんて想像すらできないけど、
一体どういう事態になっちゃうのでしょう。
元来辛いの苦手派なので、
激辛方面にはあまり興味がないのが幸いであります(^^)。
辛さ倍数が増すごとに、10円UPとあるので、
×5,000は5万円増しってことになっちゃうのかな。
大量買いにも割り引きがきっとあるのだろうね。
辛さデフォルトのカレー皿がやってきました。
刻み海苔が大量にのり、
その脇にはさっと炒めたほうれん草がたんと構えるという、
カレーとしてはやや異様な光景だ(あは)。
辛さの心配なく、
でもおずおずとスプーンの先を進めます。
おおお、ゆったりと旨味を湛えたカレーが、
憎らしいくらいにイケる。
きっとどこか粗さのあるカレーだったりするのかもねと、
高を括っていたところが正直あったのだけれど、
そんな気持ちを鼻で嗤うような、繊細さのある旨さだ。
でもそれが、刻み海苔と妙に合い、
ほうれん草とも不思議にマッチするから、
あはは、可笑しいや。
会員証も貰ったことだしと、
間を空けずして再訪してみました。
今度は、中華風カツののった、
「八ツ山」を2倍の辛さで。
中華風カツとはつまりはパーコーで、
揚げたてをハフハフっと齧り、
衣の香ばしさと滲み滴る脂の甘みを、
やや辛味の増したカレーと併せ食べれば、
なはは、これも◎。
カレーにベタつかない軽やかさがあるがゆえ、
色々なトッピングにも違和感なく一体となれるのだね。
居酒屋風情のクセして、
相当な量の玉葱を上手に炒めた下地をふつふつと感じる、
そんなカレーを供する北品川「ロビンソンクルーソー」。
今度こそ、なぜ「ロビンソンクルーソー」なのか、
その謎の答えを大将に訊かなくちゃ、だ。
「ロビンソンクルーソー」
品川区北品川2-25-6 [Map]
03-5479-8955