タワーマンションが林立し、居住地としての人気鰻登りの最たるエリアと云われる武蔵小杉に対して、二子玉川駅周辺は企業誘致を含めた再開発によるホットスポットなのでありましょう。二子玉川ライズが全面開業したのは、この5月辺りの出来事で、その後品川シーサイドにいた楽天が引越しして賑やかさを堅持している模様。
蔦屋家電は妙に混み合っているし、週末のシネコンは予約がし難かったりもする。
一風堂はまだしもマクドナルドにまで空席待ちの列があるのをみると、なんだかゲンナリなのが正直な感想でありましょか。
対して、玉川通りを渡った髙島屋側は、
以前のままの賑やかさ。
マツコが忌み嫌うハイソな空気も変わらない(笑)。
でもまぁ、偶にはお邪魔してもいいでしょう。
スクランブル交叉点を髙島屋の方へと斜めに渡り、
植栽に囲まれた髙島屋脇の側道を往くと、
正面に「つばめグリル」のサインが見えてくる。
そのまま「つばめグリル」に突入するような、
そんな流れで歩みを進めるも、
ちょっと手前で左に折れる。
目的地はそう、髙島屋裏手のカフェ「フーケ」の並びにある、
カレーの店「Achchha Khanaアッチャカーナ」なのであります。
「フーケ」の左脇を入ると、
ウッドデッキの中庭のような設えになっている。
陽射しの照らす、ギンガムチェックのクロスのテーブルで、
心地よくグラスのビールを。
中庭の中央にあるシンボルツリーに沿って見上げた空は、
雲のない快晴でありました。
奥の壁はカフェの並ぶヨーロッパの並木道の写真を、
およそ全面にプリントを貼り込んでいて、
一瞬そんな街角のテーブル席にいるような錯覚が過ぎります。
中庭のオープンエアでいただいたのは、
メニュー筆頭の「キーマカレー」。
素揚げした乱切り茄子のトッピングがまず嬉しい。
べたつくことなくホロホロとした挽肉の具合も、
やや甘めの味付けも好みの路線。
選べる麦ご飯のパラッとした食感も良く似合います。
或る春のおひる時には、こじんまりしたカウンターの店内へ。
カウンターは中庭を背にして座るレイアウトではなくて、
カウンターに座ると厨房を挟んで中庭を臨むカタチになっている。
その時季の定番メニューであるらしい、
「豚バラとキャベツのカレー」を。
とろんと煮崩れそうな豚バラ肉と、
春のキャベツの柔らか甘い歯触りのコンビが、
成る程いい感じ。
毎年この時期のこの味を愉しみにしているひと達が、
少なからずいそうで、
そのメンバーの一員になってしまいそうです(笑)。
ちょうど目の前の業務用炊飯器の上が、
盛り付けも済んで運ばれるまでの一瞬の経由地になっている。
所作を繰り返すうちにそこが坐りのいい場所になったのだろうなと、
立ち昇る仄かな湯気を眺めながらそんなことを想うのでした(笑)。
盛夏のおひるにはふたたび、中庭のウッドデッキの上に。
揚げ物気分手伝っての「カツハーフ」を註文しました。
狭い厨房でしゅわしゅわ揚げている様子を想像しながら、
しばし出来上がりを待ちましょう。
揚げ立てのカツは勿論、サックサク。
カレーがかかっていても、サックサク。
野菜・果物のエキスで甘さを伝えつつ、
じわじわと辛さも追い駆けるカレーに、
じんわりと額に汗を滲ませます。
そして、ショットグラスに用意してくれた、
口直しのブラン・エ・ノワールのすっきりした苦味が、
ほんの少しだけ辛さに痺れた舌と脂とを、
すっきりと洗ってくれます。
ご馳走さまでした。
玉川髙島屋の裏手に隠れ家のように潜みつつ、
秘かに安定した人気を博すカレーの店「アッチャカーナ」。
「アッチャカーナ」とは、
ヒンズー語で”美味しい食べ物”という意味であるそう。
ミニマムに囲まれた中庭のようなテラスも、
人気の理由のひとつなのでありましょう。
「アッチャカーナ Achchha Khana」
世田谷区玉川3-17-1 玉川タカシマヤ 1F [Map] 03-3708-5038
http://le-cafe.co.jp/achchha/