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お食事「まるやま」で 定食豚バラしょうが焼きロースしょうが焼き
旗の台から昭和大学病院に至る商店街に馴染むようにある食堂「まるやま」。
黄色いテント地に「食事 まるやま」と赤い文字。
その飾り気のなさに、なぜかグッと惹かれます(笑)。
主要なメニューを掲示した店頭の看板には、
“自慢のおいしいコシヒカリ”とある。
なんだか旨い飯が喰えちゃいそうな、
そんな気がしませんか。狭い間口の右手に丸いスツールを並べ、
オッチャンオバチャンが「いらっしゃーい」と迎えるカウンター。
メニューは背中越しの壁に貼ってあって、その冒頭にあるのが「ライス」200円。
「ご飯」が品書きの最初に書いてある店って、そうはないンじゃないのかなぁ。
「ハムエッグ定食」にはじまる定食メニューは、全14種類。
「カニコロッケ定食」「いかフライ定食」「さば塩焼き定食」から「鉄板焼き定食」「牛焼肉定食」まで。
ぐるぐる悩んでお願いしたのは、「豚バラしょうが焼き定食」
オッチャンが使い込んだフライパンにバラ肉と玉葱をジュッジュと放り込む。
漂う甘い匂いに生姜の風味がちょっぴり混じる。
届いたお皿のバラ肉が、はよ食いなはれと誘う。急かされるように箸を手にして、それらを口に放り込み、左手のご飯を追い掛ける。
お、ん、あれ?っと茶碗の中をじっと見る。
ご飯が甘くてふっくらとして、つくづく旨い。
なるほど、自慢のと謳うだけのことはあるなぁと感心しながら、肉、ご飯、時々味噌汁と繰り返すピッチが早くなる。
つゆだく系のしょうが焼きは、バラ肉の脂の甘さをそのまま大事に表現したような仕立てがいい。
「まるやま」のしょうが焼きにはもうひとつあって、それが「ロースしょうが焼き定食」。艶やかなロース二枚が再び誘うお皿もつゆだく。
千切りキャベツやケチャップ炒めスパゲティもつゆに浸ってる。
ちょっとした噛み応えの後からくる豚肉の旨味と脂の甘さとタレ風味の渾然。
そしてホフホフと咥えるご飯が、その渾然をしっかと受け止めて、やっぱり旨い。
いいね~(笑)。
この日のなめこ汁はもちろん、季節ごとの味噌汁もまた、何気なくも佳いのであります。
街角のご飯が旨いお食事処「まるやま」。常連さんとの会話に耳を傾けていると、どうやらオッチャンオバチャンは新潟の柏崎-小千谷あたりの村のご出身らしい。
旨いご飯、旨いコシヒカリの秘密はその辺りとも関連があるのかもしれないな。
「まるやま」 東京都品川区旗の台2-7-8 金子ビル [Map] 03-3786-2681