column/02802
生そば「利休庵」で ズズズ名代納豆そばふーふーカレー南ばん
お昼時のむろまち小路は、
行き交うひと達で相変わらずの賑わい。
この日は、随分とご無沙汰の日本橋「利休庵」へ。
端正な佇まいは、いつ頃新装したものだったでしょうか。
濃紺の暖簾の右手にある行灯には、草書の文字。
どうやらそのまま、「蕎麦處」と示しているようです。「利休庵」といえば、やっぱりこれでしょうと、「納豆そば」。
捏ね鉢のミニ版のような器に白色の蕎麦。
そこへ、半パックほどの納豆とちぎった海苔、かいわれ、削り節などが載っています。
やおら、ぐにぐにグニグニ。
玉子の黄身w解し、底の方に仕込んだ少量のつゆと合わせて、ぐにぐにグニグニ。
多少、廻りに飛び散らないように気をつけながら、ずずズズズ。
蕎麦の、というより、納豆の美味しい食べ方事例みたいな気もするけど、いいよねぇとずずズズズ。
こんな時に、これでは蕎麦の香りが、なんて思ってはいけません(笑)。
こういうモノだと思った方が、幸せなのですね。
そんな意味では(?)、「利休庵」で「カレー南ばん」という手もある。
目の前には湯気を上げるどんぶり。
数片の薬味を投入して、持ち上げる麺ももちろん更科系の細くて白いもの。
鶏と玉葱を浮かべたカレーつゆは、ゆるくも硬くもないとろみで、蕎麦に纏ってくる。
ふー、辛くはないけど自然と汗が出る。
ふー、慌てて啜ると火傷しそうだ。
できれば、ざるとカレーつゆの組み合わせを所望したいところではあるものの、これはこれでいいのじゃないかな。
これら、「納豆そば」や「カレー南ばん」をはじめとする麺類は1階や地階でいただけるのだけれど、「利休庵」には、2階3階もある。
2階でいただけるのは定食モノで、例えば「豚味噌焼定食」なんてメニューがある。
香り高くじっくり味噌漬けにした豚さんにご飯がススむ。
「天丼」「カツ丼」「親子丼」を横目に真っ直ぐ階段を上がるお客さんも少なくありません。
昭和27年創業の老舗蕎麦処「利休庵」日本橋。そして、銀座の「利休庵」はもう、ない。
「利休庵」 中央区日本橋室町1-12-16 [Map] 03-3241-4006
http://www.rikyu-an.com/