所在地や足回りの都合から、高田馬場で会いましょうとなった時。
古くからの学生の街だけあって、
チェーン系の居酒屋あたりだったら、
いくらでもありそうな気はする。
行こうとは思わんけど(笑)。
ただ、呑む!という訳でもない場合には、
さて、どんなお店があるんかいなと、
腕組みして思案することになったりします。
例えば、早稲田通りからちょと離れた裏道にある、
台湾料理の店なんかどうだろうねということになりつつ、
当日の晩を迎えたのでありました。
やや出遅れて駅に着くと、先陣は当該地に辿り着いたという。
ところがね、どうもその住所にその名前の店がない。
でも、目の前にしているお店も面白そうだというので、
突撃することなったのであります。
戸三小通りという裏道を進んで店の前。
なるほど、ネットに上がっていた写真と構えは同じながら、
看板が知らせる店名や色合いはすっかり替わってる。
店の名を「ヤマニャ」という、アジアンなお店だ。
テーブルに合流して、乾杯のビールを所望する。
こんなところにも「ホッピー」がある!と思いつつ、
ご当地ビールをお願いすれば、
やってきたのは「Myanmar beer」の翠色の缶。
それは如何にも東南アジアのモノらしい、すっと軽い味わいのヤツ。
瓶での用意はしてないみたいです。
既に卓上に上がっていたお皿のひとつが、「特選サラダ」。
豆苗や玉葱なんぞを胡麻油で和えて、そこに海老粉がたっぷり載せてある。
シャキッとした歯触りと海老粉の香ばしさが美味しいね。
お、ピンクなお肉が並んでいるねと「ヌー・ソム・ムー」。
豚肉をバナナの葉で包んで発酵させたシャン風ソーセージ、との説明書きがある。
辛そうでいてそうでもなく、でもやっぱり辛いタレがいい具合。
豚肉が孕んだ甘さと酸味をグイっとひき立てて食べさせます。
「ゴーヤ ジョ」は、タイ風ゴーヤチャンプルー。
ナンプラーを利かせつつ、こうしてあっさりとした仕立ても悪くない。
メニューにある、「蓋肉」は、「豚肉」の間違いだろうね(笑)。
メニューに「大人気です!」と謳っているのが、「ヤマニャ ワッター・ド・トゥ」。
つまりは、豚の串の煮込みなのだけど、
煮込んだ汁が醸すスパイス風味がやっぱりアジア的。
口に含んだホルモンが柔らかに。
小さめの器の下に固形燃料を炊いて、温かいままいただけるようにした工夫が嬉しい。
我等が大衆居酒屋の「煮込み」も同じようにしてくれたらいいのにね(笑)。
「ラベットゥ」は、お茶の葉サラダ。
丸皿に刻んだトマト、キャベツ、豆の類に干し海老、
そして青菜のような葉が載ってきた。
それらを云われるままチャカチャカと混ぜ合わせる。
お茶の葉っぱの柔らかな発酵具合がいいドレッシングになって、
全体が纏まって美味しいのが、なんだか不思議な気がします。
ご存知、蒸し鶏ご飯は、ココでは「ジャ・スイ・タミン」。
やや細めに刻んだ鶏肉の感じと長粒米ではないところが面白い。
長粒米は、その辺では売ってないものね。
豚肉と竹の子の旨煮「ワッターミ・チン」がなかなか美味しい。
竹の子の発酵由来にも思う酸味と辛味。
しなっとした竹の子と豚とに含んだ汁がいい。
これで定食にしたいであります(笑)。
そして、「ジェイオーシージェー」は、ホルモンのビーフンラーメン。
ラーメンといってもほとんど汁なしで、
たっぷりのホルモンとビーフンを調味油で軽く和えた感じのドンブリ。
成る程、しつこくなくて、旨いであります。
デザート代わりに、ココナツ、タピオカ、バナナの特製ミックスジュース、
「オウ・ターグ・ガァビョー・パウ」をいただいてみる。
意外と甘くなく、さらりとバナナやココナツの仄甘みを愉しめるのだ。
高田馬場の裏道の暗がりに、ミャンマー料理の店「ヤマニャ」がある。
訊けば、台湾料理店から入れ替わって半年程のことだという。
店名の「ヤマニャ」は、出身地であるミャンマーの町の名前だと、
ちょっとはにかみながら応えてくれた。
メニューの所々に「モン族の」とか「シャン族の」とかあるのは、
どうやらミャンマーの少数派民族なぞのことであるらしい。
図らずも稀少な体験をしたのかもしれません。
「ヤマニャ」
新宿区高田馬場3-14-16 太田ビル 101 [Map] 03-5348-7150