通りを往けば、此処でも眼に入ってくるのがラーメン店の看板たち。 「光麺」に油そばの「ぶぶか」「力」に「天スタ」なる天理市からやってきた店もある。
その先では、なんとラーメン店3軒が横並び。まるで一軒の店の包囲網のようにも、寄生するかのようにも、 正面から挑んでいるようにも見えます。 そして今夕のお目当ては、その3軒の真ん中。 札幌ラーメンの「さっぽろ純連」です。
食券を渡して見上げるのは、 カウンターに沿うように下がった暖簾と「純連」の文字。こふいふぐるっと横長暖簾を施したお店って他に覚えがないけど、なんだか良いね。
お願いしていた「味噌ラーメン」がやってきた。大判チャーシューもバターコーンも味玉トッピングもない、 デフォルトなのが食べたかったのだ。
ひとまず蓮華から啜るスープは、 ラードの膜が加減のいい効果を発揮して期待通りのあっつ熱。 濃密な味噌のコクを生姜の風味がすっきりとした輪郭にして、なかなかどうして。 10数年前の印象があまり良くなかっただけに、 ちょっと襟を正していただく感じになるところ(笑)。 直截な美味しさを想うスープでありますね。
麺は勿論のかん水添加の黄色味を帯びたやつ。狙い通り、熱々のスープにもへたることなく、抗うことなくシュッとした食べ口を齎してくれる。 うんうん、この麺とこのスープのコンビはこれはこれで不滅のような気がするな。
券売機の脇や業務用冷蔵庫には、二枚の貼り紙がある。 その一枚が「さっぽろ純連」東京店の閉店を知らせてる。 もう一枚は、今の従業員が独立して店名を「さっぽろ羅偉伝」と改めて早々に営業を始めるという挨拶だ。
札幌ラーメン「純連(すみれ)」の流れを正統に汲む、 「さっぽろ純連(じゅんれん)」東京店。またひとつ、老舗の匂いのするお店がなくなろうとしています。
口 関連記事: 札幌ラーメン「さっぽろ純連」で 味噌ラーメンスープのえぐ味ははて(02年12月) とんかつ「成蔵」で 余熱火入れカキフライ繊細な揚げ口に何思う(13年03月)
「さっぽろ純連」東京店 新宿区高田馬場3-12-8 高田馬場センタービル1F [Map] 03-5338-8533 http://www.junren.co.jp/
column/03442