青森で触発されて以来の煮干し中華好き(笑)。
彼の地への郷愁仄かに携えて、東京の煮干し中華の店の幾つかにも足を運んでいるところ。
例えば、大泉学園の「伊吹」あたりが最近の出色だし、浅草の「つし馬」の一杯も時折啜りたくなる。
そんな最中、未訪問先で一番気になっていたのが、大久保の「めとき」です。
それは、ちょっと歩けば汗の滲む、陽射しの強い夏の日の正午過ぎ。
韓流流行りで、妙竹林な熱気の大久保通りの混雑を擦り抜けて、住宅地の脇道へ。
その先に突如として行列が見つかれば、それが「めとき」だ。ところが、行列の最後尾に並ぼうとすると、その前にいたお兄さんが、こう告げてくれる。 「ボクまででスープ切れだそうですよ」。 ありゃ!そうか、13時ちょっと前でもスープ切れ仕舞いになっちゃうのかぁー。 鼻先が既に煮干しの匂いに擽られていただけに、とっても後ろ髪を引かれつつ、 大久保の脇道を後にしたのでありました。
その後、どうも再訪する機会を作れずにいたところ、 どうやら休業してしまっているらしいと知る。 そうとなればますます募る想い(笑)。 休業のまま閉店となる事例も少なくないと知りつつ、密かに再開を待っていたのでした。
そこへ年明けあたりから営業を始めたらしい吉報を知る。 待ってました!とふたたび、大久保通りへと繰り出しました。
前回の反省から今度は、12時前の到着時間。
今度は凍れる寒空の下。 指先は悴むけれど、吸い込む煮干しの香りに気分はうきうきです(笑)。
しばし待って、満足顔で暖簾の中から出て来た先客さんと入れ替わるように、いざ店内へ。 板張りの壁とタイル張りの壁が挟むカウンター。 寸胴が立ち上らせる湯気で、眼鏡が曇ります。
目の前の羽釜では、煮干しを含むスープがことこと。
朴訥として寡黙な印象のオヤジさん。 もしかして青森のご出身かしらん?などと想像しながら手元を眺めると、 湯掻いた麺を揚げる平笊が独特の形状であることが判る。
さて、お待ちかねのどんぶりがオヤジさんの両手によって届けられました。
おおお、なんとも素敵な見映え。薄い脂の膜がスープの熱々を閉じ込めて、 そこへ端正な支那竹に厚切りの焼豚、海苔に渦巻きナルト。
その蓮華を手に早速、当のスープを啜ります。
ザ・にぼにぼタイプではなくて、「つし馬」とか「まるかい」とかの澄んだタイプのスープ。 少々塩っぱい感じになるのは、煮干しスープの常で、 その分ぎゅっと焦点の利いた味わいになる。
麺はつるんとして熟成感のあるヤツ。
大久保の煮干し中華といえば、それは正に中華麺専門店「めとき」。
口 関連記事: 中華そば「つし馬」で 青森煮干の中華そばと特濃バリ煮干し旨し(09年11月) ラーメン「まるかい」で 煮干し醤油ラーメン澄んだ中の旨み風味(10年01月)
「めとき」 新宿区大久保2-29-8 [Map] 03-3200-8836
column/03229
いつも楽しく読ませていただいています。
読み逃げばかりですみません。。。
めときは、私が中高時代から愛したラーメン屋さんです。
しばらく休んでいたので、心配していましたが、
また復活してよかったです。
店主もだいぶお年をとられたので、
いつも「最後の一杯」と思って気持ちをこめて食べています。
Re:ばるべにーさま
コメントありがとーございます!
「めとき」さんの創業が72年のことだとしたら、今年で40周年ということになりますね。
有難さつのる一杯。
また遠からずお邪魔する機会を窺っています。