京都三条通白川橋ほとりの小さな台所「丹」で丹後の蒸し野菜鯖へしこ炭焼き丹の朝食

大橋トリオ恒例の、FC限定ツアーの公演を契機に、お久し振りに訪れた京都の三日目のこと。
前日は、出町柳駅からチャリに跨って、京都のふたつの一の宮でもある下鴨神社と上賀茂神社に参拝して、一の宮御朱印帳にご朱印をいただいてから、大宮玄琢(げんたく)北町にある広い敷地の邸宅をリノベーションした日本料理「MUBE」で、
めくるめくお皿たちを堪能した。

その足で向かったのが、
ライブ会場である京都教育文化センター。 年季の入った建物に収まったホールは、
旧い小振りな映画館のような佇まい。
ステージセットが勿論ある訳もない舞台には、
グランドピアノに小さ目のドラムス。
幸いなことに整理番号が若かったので、
一番前の列の左寄りに陣取った。
新譜「A BAND」を軸にした曲たちを、
三人編成のアレンジで、
なにより間近で聴けたのが実にハッピー。
「Lady Cinema」を普通に演じてしまうのに驚いた。
当日の様子やセットリストは、
大橋トリオファンの大御所、
たけさんの記事に詳しい。

その翌朝は早起きをして、
いつ以来か判らないほどお久し振りに、
新橋通りと白川筋の分岐点、
祇園新橋にある辰巳神社へ。 甘味どころ「ぎをん小森」を懐かしく眺め、
新橋通り沿いの「祇をん 八咫」のバーを想い出す。
巽橋を渡って四条通り方面へ往けば、
Bar「コペルニクス的転回」や寿し「いづう」のある、
切通しに抜ける。

そんな界隈から離れ、花見小路通りに出て、
白川に沿って、なすありの径を散策して、
そのまま白川筋を辿って上ル。
欄干のない石の橋、古川町橋をトトトと渡り、
同じく欄干のない梅宮橋で渡り戻った。
その先の土居内橋の上に佇んで、
白川の流れをしばし眺めた。 三条通りの気配がしてきた辺りで、
柳の枝越しに、この朝のお食事処が見えてきた。

ちょうど地下鉄東山駅辺りの三条通りが、
白川を渡る白川橋でUターンして、
白川の左岸を進めば、
さっきの土居内橋の欄干が見えてくる。 建物左手の行燈看板にある店名は、
「丹tan」であります。

テーブル席に腰を下ろして眺めると、
真ん中に一枚板の大きなテーブルがしっかと置かれ、
向こう側には間接照明を施したダイニングボード。 どこぞの邸宅のダイニングに招かれたような、
そんな気分になってくる。
テーブルの下には、荷物置きのためにと、
帆布のような布をU字に括り付けてあって、
成る程、そんな手もあるのかと感心する。

大テーブルと一体化した作業台の向こうには、
三方の石積みを黒く焦がした焼き台がある。 焼き網の上に置かれた魚から、
ゆらゆらと薄く煙が立ち昇っています。

“丹の朝食”のはじまりに、
焙じ茶と一緒にやってきたのは、
「季節の和え物」の胡麻和えの小皿。 この日の具材は、スナップ豌豆とモロッコ隠元、
それに酢蓮根と利休麩。
利休麩は、精進料理に欠かせないとされる、
生麩を昆布だしと醤油、味醂、砂糖などで味付けして、
油で揚げた、京都の伝統的な食材だという。
胡麻を摺り潰して和えている訳ではなくて、
また、お豆腐による白和えというよりは、
マヨネーズ和えに近いような、そんな感じ。
でもそれが、品よく纏まっているのが面白い。
なんだか振り載せた胡麻が美味しいぞ。
酢蓮根のお酢は、飯尾さんとこのお酢なのかも。

続いて届いた葉っぱ様のお皿には、
「丹後の蒸し野菜」。 もろ味噌とお塩で、
とオネエさんは云い添えてくれた。
もろ味噌とはつまりは、もろみ味噌のことだね。
蒸した野菜なら身体を冷やすことなく、
すんなりと摂れるよねと、そして、
もろみ味噌がオツな薬味になるのだね、と。

これらの野菜たちは、どうやら、
京丹後の自然農法の農家さんが、
ゆったりと育んでくれたものみたいだ。

土鍋から茶碗へとご飯を盛る所作を眺める。 なんか、これもオツなひと時な気もする(^^)。

そんな茶碗のご飯と一緒に届いたのは、
作家ものと思しき長角皿。 縁取りも面白いお皿には、
鯖のへしこの炭焼きと自家製のお漬物。
焼き台で焼かれていたのは、
この鯖のへしこだったのだね。
京都府丹後半島が発祥とも謂われるへしこは、
鯖などの青魚を塩漬けし、米糠に漬け込んで、
長い期間に亘って熟成させた郷土料理。
樽に漬け込むこと=「へし込む」が、
名前の由来ともされる。
塩っ気が強いかもーと思うもそんなでもなく、
凝集した鯖の旨味と脂と糠漬けの風味が、
ご飯をどんどん口へと運ばせる。
味噌汁のお豆腐も美味しかったなぁ。

茶碗に取り分けてくれたご飯は、
自家栽培の無農薬のお米を炊いたもの。 京丹後・久美浜市野々の自家製米だという。
お代わりしたご飯には、やっぱり、
誰が云い始めたのかTKG、
玉子かけご飯でいただきたい。
「特別濃厚卵」の玉子が、甘いゝゝ。
こんなん、旨いに決まってるじゃんね(^^)。

食後はセルフドリンクで、とのことで、
促されるまま階段を上がって二階へ。 カップに珈琲を淹れ、窓辺のカウンターへ。
大きく開け放った窓からは勿論、
眼下に白川の流れと川縁の柳の木が眺められる。
朝の清々しい空気が心地よく、
これまたゆったりとして、いい時間であります。

市営地下鉄東西線の東山駅最寄り。
三条通りが渡る白川の左岸に、
京都三条通白川橋ほとりの小さな台所「丹」は、ある。 店名「丹」は、丹後の”丹”。
著名な京料理・京懐石の料亭グループ「和久傳」が、
こちらの謂わば、親となっていて、
丹後はその創業の地でもあるそうだ。
丹後の良いものを紹介しようという意図もあり、
開いたのが「丹」なのだ。
ご馳走さまをしてふたたび白川の対岸に回り込んで、
お店の表情をのんびりと眺めていたら、
店から出てきた客人がなんと、
そのお隣の縦格子の家屋へと入っていった。
ええとこに住んではるんやねーと、
顔を見合わせたのだけれどどうやら其処は、
会員制のゲストハウスであるらしい。
会員になれるのか定かではないけれど、
そこに泊って今度は、夕食をいただきたいな、
なーんて思っています(^^)。

「丹」
京都府京都市東山区五軒町106-13 [Map]
075-533-7744
https://www.tan.kyoto.jp/

column/02994

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください。