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祇をん「八咫」で ゴールドOROにRUMWOOD障子のバックバー
祇園新橋から縄手通りへと抜ける新橋通りは、
両側に京町屋の格子が並ぶ。
以前寄った「閒」の前を通り過ぎ、立ち止まる浅い煉瓦色の暖簾には、「八咫」とある。
こう書いて、”やた”と読むらしい。
バーを訪ねたつもりなのだけれど、はて、此処で合っているのでしょうか。
暖簾を潜るとやっぱりそこは、料理屋の佇まい。
偶々客を送りに出ていた女性に、「バー、で合ってます?」と訊ねると、「あ、二階がバーになっております、今、席を確認しますね」とのお応え。
なるほど、和食のお店とバーとの二階建て、という訳なのですね。
通された8席ほどのカウンターのバックバーには、新橋通りとの間を仕切る障子。障子の前に並んだボトルたちを景色に呑むバーは、そう多くないよね。
まずは、旬なフルーツでカクテルをと、定番的な苺とシャンパンのロンググラス。
CHAMPAGNEは、「Diebolt-Vallois」。
細やかな泡から立ち上るトップノートは、例の清々しく甘い香り。一気呑みしちゃいたい衝動に駆られながら、くいっとちょっと呷るように飲んでしまう(笑)。
2杯目にと想いを巡らせての思い付きで、「熟成させたラムって、なんて呼ぶんでしたっけ?」と訊いてみる。
「ゴールドラムですね」「ありますか?」「はい、お待ちください」。
ということで示してくれたボトルは、ご存知「BACARDI」。
「ORO」というサブネームがついている。
ストレートもいいかと思案しつつ、クラッシュアイスにライムを添えてもらう。ライムのジュースも搾ってくれちゃってたのが余計だったけど、それでも円く熟成感のある滴の魅力が愉しめる。
より熟成させた「ブラック」もあると云う。ナイトキャップの普段使いにも、いいかもね。
ラムつながりで、フィニッシュをラム樽に仕込んだスコッチがあるというので、それをストレートで。
スペイサイド「THE BALVENIE」の「RUMWOOD」。明らかに、なはは~ラム!って呑み口ではないものの、アフターテイストに時折ラムの甘みに似た余韻を感じる。
うーむ、シェリー樽やバーボン樽でのフィニッシュがあるように、ラム樽フィニッシュのスコッチもあるのだね。
「読めない、よね~(笑)」ということで、店名について訊いてみた。
店名の「八咫」は、「八咫烏」の八咫だという。
戸口の裏側に掛けた絵馬にもあるように、熊野神社において神の使いとして信仰されている烏の名から和歌山出身のオーナーが名付けたのだそう。
そこに籠められた意味合いや想いまでは、見送ってくれたバーテンダー氏も詳しくない、らしい。
祇園新橋の京料理&バー、「八咫」。交詢ビルに銀座店があるだけど、流石にバーの設えまではないようです。
口関連記事:鮨割烹「閒」 で落胆の握り六貫は京流か閒流か(08年04月)
「八咫」本店 京都市東山区大和大路通新橋東入ル [Map] 075-525-5511 http://www.kaland.co.jp/