夜の東銀座に、妖しい赤と黄色の灯りを瞬かせている店がある。その名を「愛愛」。温泉場の外れにあるスナックのような店名がシュールだ。半地下に位置するその店を恐る恐る覗いてみる。先客は、ない。行くのか止めるのか。意を決して店内に踏み入ると、奥のテーブルでまかないを食べている様子の女性従業員がソレを啜りながら顔をあげた。イラシャマセ。片言交じりの日本語がその場の雰囲気に妙に馴染んでいる。その女性が今夜のお相手なのかと思いきや、男性従業員がテーブルに近づいてきた。で、では、コレとコレとコレを。注文をしてしまった。女性従業員がまだ食事を食べ終えていないためか、お麦酒は手酌になる。外皮に焼き目のつけられた一品目は、匂いに配慮したヤツなんて洒落臭いとばかりに大蒜が満載だ。そんなにニンニク利かせてどうしようというのだろう。続いて、大椀がやってきた。俗に云うところの蓮華にまで「愛愛」と名前が刻まれているcolumn/01975



