その先に歌舞伎座タワーの背中を望みながら、
パスタハウス「山岸食堂」や「Dolce LA BETTOLA」の前をぶら歩き。
イタリアン「IL BIANCO」や暖簾分けして移転した、
蕎麦「流石本店」の入った雑居ビルの角を何気なく曲がると、小さく揺らめく暖簾が眼に留まりました。
何やら真新しく見える佇まいのその壁に木彫り看板。
「森川」と示した店名に、揚鶏と水炊きと肩に添え、
博多と落款が押してあります。暖簾を払うと、こじんまりした木目基調の設えが迎えてくれる。 L字のカウンターに壁に寄り添うようなテーブルが幾つか。
「お昼ごはん」は、三本立てで、 「野菜 日替わり定食」に「究極の親子丼」「揚げ鶏定食」。 唐揚げ気分で注文すると、カウンター越しに揚げ音が聞こえてきます。 「揚げ鶏定食」は、唐揚げとチキン南蛮の組み合わせだ。
唐揚げは、粉の浮かないしっかり目の狐色。
タルタルがたっぷりかかった鶏カツは、飴色の照りが誘います。
日を改めて、今度はカウンターの中央へ。 「究極の親子丼」をいただきにあがりました。
成る程、卵の黄身の濃い色を連想させる表情にゴロっと鶏のぶつ切り。
世に最上級の修飾を謳う親子丼は少なくない。 例えば、人形町「玉ひで」の「極(きわみ)親子丼」。 身近な処では、茅場町「鳥ふじ」の「特上親子丼」。 未訪問ながら、「青山 鶏味座 本店」には、「究極の親子丼」があるらしい。
当然のように卵に拘り、鶏肉に拘り、ご飯に拘り、割下に拘り、三つ葉にまでも拘り。 調理に係る所作手順、道具器具一式にも最上を揃えて臨んでいるであろうところ。 そこに料理人の感性や思想が加味してこそと信じたい。
ただ、”特上”はまだしも、”究極”となると、 あの「究極vs至高」漫画が脳裡にチラついたりして、鼻白む感じになってしまう。 品書きにハードルの上げ過ぎを思うおひる時でありました。
東銀座の横丁にこの八月に開店した揚鶏と水炊き「森川」。
「森川」 中央区銀座2-13-17 [Map] 03-6264-3933
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