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ビアレストラン「THE HOF BRAU」で白麦酒白腸詰スパピザ由来はミュンヘンの醸造所

港横浜は、山下町。
北東を向いて横長に横浜港を広く見渡す、ご存じ山下公園。
停泊している氷川丸に横浜おのぼりさんよろしく、いそいそと初めて見学に乗り込んだのは、いつの日か(^^)。
そして、ちょうど赤い靴はいていた女の子像辺りを正面に見据えるのが、これまたご存じ神奈川県民ホール。
神奈川県民ホールが開館したのは、1975年(昭和50年)のこと。
つまりは、今年2025年に50周年を迎えるということになります。

そんなアニバーサリーな年に県民ホールは、
この3月末をもって施設老朽化に伴う休館となる。
確かに、半世紀を経れば耐用年数を越えている。
大改修を施して再生させるのか、
中野サンプラザのようにぶっ壊してしまうのか。
休館する期間も含めて、白紙の未定であるらしい。

神奈川県民ホールでは今まで、
何組ものアーティストのライブに参加してきた。
代表格は勿論、我らが達郎師匠のツアーライブ。
横浜出身の杉山清貴やオメガトライブのツアーや、
玉置浩二のコンサートでも足を運んだ。
鈴木康博やっさんのライブは、小ホールだった。
2024年の「シティポップ・スタジオLIVE」のステージも、
県民ホールだったことを思い出す。

そんな思い出とアーティストたちの沢山の汗と、
声や演奏が沁み込んだホールなので、出来れば、
耐震対策と改修を施して再生して欲しい。
そう思うのであります。

神奈川県民ホールでのライブの前にも後にも、
何度となくお世話になったのが、
ホールの真裏の水町通り沿いにある、
これまたご存じのビアホール「THE HOF BRAU」。 ドイツの街中にもありそうなフォルムと、
山吹色の配色のサインが印象的だ。

店内に入って右手には、カウンター。 バックバーには、帆船の飾りや、
山崎、知多といったサントリーのボトルが並ぶ。
背面の板張りがある景色が、いい。

止まり木から振り返って入口方向を眺めれば、
救命浮環がずらっと掛け並んでいる。 例えば、木造のヨットのようなものが、
内装のモチーフになっているのかもしれません。

幾つかの額装には、
往時の店舗の様子を伝える写真が収められている。 キャプションにはこうある。
昭和22年に開業して、
55年まで海岸通りにあったホフブロウ。
昭和55年から当地に移り、現在に至る。
ふと、嘗て本牧にあった「リキシャルーム」を想い出す。
「リキシャルーム」や「アロハカフェ」が、
この並びにあっても不思議がない、
そんなファサードだ。

壁に吊り下げられたプレート。
それを指差して、「あれを」と(^^)。 トールなグラスでサーブされたのは、
「ホフブロウ・ミュンヘナー・ヴァイツェン」。
ヴァイス、つまりは所謂白ビールの仲間で、
独特のバナナの香りとともに、
たっぷりした甘みに似た旨味がある。
エチケットやグラスにある王冠を戴いた”HB”は、
きっと”HOF BRAU”の”HB”なのですね。

グラスも独逸から届けられたものなのか、
グラスの脇に容量を示すラインと数値が刻まれている。 彼の地では、様々なグラスに容量のラインがあり、
グラスの容量をきちんと守って提供するよう、
法律に定めがあると聞いた覚えがある。

そんなビールのお供にまずは、
「自家製のザワークラフト」。 マリネしたビネガーが当然酸っぱいのだけれど、
食べるにつれて、だんだんと次がより欲しくなってくる。

お次は、メニューのソーセージの項で見付けた、
それは「白ソーセージ(特大1本)」。 ミュンヘンの空港でも、食べたことを想い出す。
なので、特段”特大”だとは思わない(^^)。
確か、白ソーセージには正式には、ルールがあって、
午前中しか提供してはならない、と聞いた気がする。
反してここでは、昼下がりにも夜でもいただける。
確かに作り立ての湯掻き立ての白ソーセージは、
フレッシュさがあって美味しかった。
でも、午前中に限定される理由も覚えていないので、
ひとまず不問に付すことにいたしましょう(^^)。

そして、メニューの上をあれこれ迷った挙句、
結局薬局、当店のスペシャリテ「スパピザ」。 如何にも熱々チンチンの鉄鍋が夏も尚、
湯気とともに運ばれてくる。

ここで注目すべきは、鉄鍋の脇から、
チーズドームに差し込まれたカトラリー。 下町の諸兄には馴染深き、
そう、もんじゃ焼きの”ハガシ”。
これが、焼けたチーズをガシガシ喰らうに、
活躍するのであります。
もしかしたら「スパピザ」専用の特注品、
だったりするかもしれません。

鉄板とチーズドームに挟まれて、
焦がすように蒸すように熱の籠ったスパ部分。 チーズのコク味、塩味と一体となって、
こりゃやっぱり、ズルいわーと、
思わず小さく叫ぶこと必至ですね。

別のライブを控えた浅い夕刻の時間帯。
通し営業なのをいいことに、
例によってカウンターで腹拵え。 お題は、横浜発祥「ナポリタン」。
ご存じのように、ナポリタンの発祥は、
ここ「ホフブロウ」から目と鼻の先にある、
ホテルニューグランドの「コーヒーハウス ザ・カフェ」。
その二代目総料理長が生み出したと云われている。
「ホフブロウ」が海岸通りにあった頃からきっと、
ニューグランドのスタッフやレストラン関係者とも、
交流があったのではないかなぁ、
なんてことを想像したりなんかいたします。
巷の喫茶店なナポリタンとちょっと違うと、
そう思わせるのは、メニューに書かれた、
パイナップルとワインビネガーで仕上げたケチャップ、
にあるのかもしれません。

港横浜の山下町、ご存じ山下公園に面した、
神奈川県民ホール裏手の水町通り沿いに、
ビアレストラン「THE HOF BRAU」は、ある。 捲ったメニューの後段のページに、
店名「ホフブロウ」の由来についての件があり、
麦酒の聖地、ドイツはミュンヘンのビアホール、
「ホフブロイハウス」から名付けた、とある。
元来バイエルン州の国王のためにビール醸造するため、
1589年に創立された”宮廷醸造所”ホフブロイハウス。
今は王室から離れてバイエルン州が経営しており、
今なお世界中の人々に愛され続けている、と云う。
Hofbräuhaus Münchenを目的地のひとつにした、
ドイツへの旅、なんてのも乙なものかもしれないな(^^)。

「ホフブロウ THE HOF BRAU」
神奈川県横浜市中区山下町25-1 上田ビル1F [Map]
045-662-1106

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