
映画館不毛地帯であった日本橋界隈。
そこへ、この3月にコレド室町2が開業して、
TOHOシネマズ日本橋が出来た。
ならばそろそろ、新しいシネマで映画観ちゃおうと、
コレド室町村へと向かう道すがら。
久し振りに古の「大勝軒」の前に差し掛かる。
改めて眺めるは、
昭和初期創業と云われる堪らない味の佇まい。
ノスタルジック嗜好な気分が頭を擡げてきます(笑)。
看板建築の銅板が吹いた緑青の色のようなタイル。

側面の二階の窓上の壁には、「大勝軒」と店名を示したタイル張り。
同じ緑系統の縞に染めた日除け雨除けのテント。

その向こうにコレド2の頂が望めます。
往時は瀟洒でハイカラであったであろう建物も今は、周囲の高さに囲まれている。

陽射しに文字の掠れたアクリルの看板。
入口硝子扉の紅く丸い取っ手と一箇所絞った目隠しのカーテン。
いいね、いいね。
屋上の小屋は何に使っているのでしょう。
窺うように硝子扉を押し入ると、まだ先客もなく、まったりモード。

内壁にも厚手のタイルを使った意匠で、
何気になかなか凝っている。
見上げた天井の造作もちょっと面白い。
どなたの設計によるものなのでしょうか。

両面に記したメニューから、まずは昼夜定番モノを物色します。
町場の中華料理店のメニューの並びは、
大概こうくるものだよねと納得しながら、
まずは筆頭の「中華そば」をお願いします。

いただいたドンブリの景色もまた、正しき素朴さ。
ナルトのスライスは見当たりませんが、
きっとその系統ではそもそもないのでしょう。
鶏ガラと野菜たち主体と思しき澄んだスープに和むひと時。

過剰な脂や塩分、濃厚な味付けは此処にはない。
化調が甘さを演出していたとしても、
それを織り込んでなお、温厚篤実な一杯であります。

今度は、メニューを裏と表をくるくる回し見て、
「炒飯」に「揚げシューマイ」を奢ってしまおうかと腹積もる。
パラパラっとして、ご飯の一粒ひと粒を玉子と油で薄くコーティング。

何気ないけど、それが基本形だよねと安堵する。
そんな頃、女将さんや大将は、大相撲の逸ノ城の動向を注視中(笑)。
「揚げシュウマイ」も素朴な美味しさ。

包んだ皮が薄くカリっとする。
そして、その中から何事もなかったかのように顔を出す肉のあん。
あ、瓶の麦酒もお願いするんだった!
1933年(昭和8年)創業の日本橋本町「大勝軒」。

それは、いつまでも其処にあっていて欲しいと思う佇まい。
青木 健さんの「ホントにあったラーメン劇場」が毎回楽しみな
RamenBank によれば、
東池袋系とも永福町系とも違う、人形町系と呼ばれる流れを汲んでいるそう。
茅場町の「大勝軒」や横山町の「大勝軒」、
浅草橋の「大勝軒」が同じ系統の兄弟店だということになる。
独特の極細麺が不思議な魅力だった人形町三丁目の「大勝軒」は、いまはもうない。
早いこと浅草橋のお店にも行ってみなくっちゃ。
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「大勝軒」
中央区日本橋本町1-3-3 [Map] 03-3241-2551
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