俗に云う、”ねぎしの交叉点”。
今は”ファルマン通り”なんてカタカナ名前が、
いつの間にか信号機に附されています。
所沢が航空発祥の地とも呼ばれるのは、
日本で初めて飛行場がつくられたから。
その、旧陸軍所沢飛行場で日本初の飛行を行った、
複葉機の製作者が、アンリ・ファルマンさん。
交叉点の和洋菓子店「ねぎし」には、
「ファルマン」なんてお菓子もあるようです。
そんな交叉点からほんの少し銀座通りを下り、
美容院ととんかつ「菊富」との間の道に入る。
すると「菊富」の壁に錆びたトタンの看板が立て掛けるように置いてある。掠れて一部読めないものの、
中華料理、定食、ラーメン、餃子、丼物とペンキの文字。
その先左手には「中華そば」と示す紅いポール看板。
右手には、いつぞやの所沢名物焼き団子の「奈美喜屋」がある。
扉を開け放った入口からするっと入って、こんにちは。
合板の壁がすっかり飴色になっていて、
お品書きも積年の色々なものでくすんでいる。なかなかにいい味がでています。
まだまだ暑い日のこととなればやっぱり、麦酒と「餃子」でしょう。やや厚手の皮にやや不揃いなフォルムの餃子の焦げ色がよろしいところ。
麦酒の瓶がほとんど空いたところに、
お願いしていた「タンメン」のどんぶり。野菜の甘さがスープによーく滲み出ていていい感じ。
麺がやや弱いのは或る意味仕方のないところでしょう。
「王将」並みの「餃子」同様、なんとも廉価な「中華そば」。丁寧にとったと思しきスープになんだか和んでしまうひと時。
それはきっと、ただのノスタルジックな気分とは別のものです。
ねぎしの交叉点近くの裏道に鄙びた魅力の中華料理「栄華」がある。くすんだ品札に読む、
「チャーハン」ならぬ「チャハン」や「カレライス」にも遠からず癒されたいと思います。
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「栄華」
所沢市御幸町2-15 [Map] 04-2922-7926
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