無休で24時間営業という、
チェーン店以外の飲食店としては驚異的な営業形態をとっているという赤坂「一龍」別館。
「雪濃湯(ソルロンタン)」の専門店として有名だってことで、夜の赤坂にふらふらっと寄ること二度。
その度に満席の憂き目にあって、切なく思っていました。
三度目の正直と、ちょっと早いお昼どきに顔を出すと、空席十分。
壁に向かうテーブルに案内されました。
座れば出てくるのは、白菜キムチやナムル、韓国海苔の小皿。
と思ったらそんなもんじゃなくて、次から次へと並べられる皿たちであっと云う間にテーブルが埋まってしまう。
中皿×3、小皿×8が整然と並んで壮観だ。
そこへ、湯気をあげてドンブリが届きます。
白濁したスープに薬味の刻んだ葱が浮かび、ところどころで肉片が顔を出している。
「どやって食べるの?」と訊くと、背中越しで韓国語会話を炸裂させていた姐さまたちのひとりが、「スープの料理だから、そのままでもいいし、小皿の入れちゃってもいいよぉ」と云う。つまりは、お好きにどうぞってことかな。
平らなスプーンで掬い啜れば、ぎりぎり足りないような、ぎりぎり丁度いいような絶妙の塩加減のスープがじっくりしみじみと滲みてくる。
おほ~。牛骨メインのスープ、ってことなんだろね。
カクテキや玉子焼き風、キンピラゴボウ風などなどの小皿の品を代わる代わる口にしては、ご飯を頬張り、スープを啜る。
春雨にテール肉もひと廻り平らげたところで、やっぱりやっちゃおう(笑)と、ご飯のお代わりをもらってドンブリに投入。ここで初めて、ちょっと塩と胡椒をちょと足して、ズズズのズ。こうすると、あっさりした「コムタン」ってな感じになるね。
うん、満腹であります。
こうしてお皿でテーブルを満たすのが韓国流おもてなしの基本のひとつともどこかで聞いた気もするけれど、やっぱりなんか嬉しいね。サービス精神満開の小皿たちを垣間見ると、やっぱりコイツらを肴にして一杯二杯呑っちゃうのがいいかもって思っちゃう。
夜混んでいるのが妙に納得、の「雪濃湯」の「一龍」。
湯気立つサインが目印です。
「一龍」別館 港区赤坂2-13-16 シントミ赤坂第2ビル1F 03-3582-7008
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