column/01977
うなぎ「鐵五郎」
ふと鰻が食べたくなって虎ノ門のこの店に行ってみました。文政10年に海老屋鐵五郎によって芝のあたりに創業されたという「ての字」の店舗展開のひとつ、だという。気軽なノリでうな丼を提供してくれる感じのお店のようです。入口を入ると早速券売機がお出迎え。シングルの「うな丼」の写真がちょっと寂しげに見えてしまい、思わず「うな丼ダブル」のボタンを押しました。さてどのあたりの席に陣取ろうかと店内を見渡すと、その視線を制止するかのように厨房側へと促されました。「はいどうぞ」。うへっ? 注文を受けてからさばき始めるとは決して思っていないけど、チケットを買ったと同時に供されるうな丼て、どうよ。びっくりするなぁ、もう。同じサイズの蒲焼を客の入りを見込んでどんどん焼いていって、ダブルの注文があればその丼を差し出す、ということらしい。焼き立て熱々がうなぎの醍醐味だっつーことを知らないことにしちゃっているんだ。生温かくてモソモソし、脂が固まり始めている蒲焼が旨かろう筈もないやね。築地場外の「はいばら」2号店でもブルーな気持ちになった記憶があるけど、1,000円で鰻を食べるってやっぱそういう覚悟が必要だと心得ておかなきゃ、だ。
「鐵五郎」 港区虎ノ門1-8-11 03-3592-0725 http://www.tenoji.co.jp/