column/01789
洋食「GINZA Candle」
「チキンバスケット」が話題となる「キャンドル」へと電通通りを七丁目まで。ひっそりとした狭い間口の階段を降りると、意外や店内はほぼ満席だ。如何にも座りにくい高さのカウンター席に滑り込みます。昼真っからビールを呷るわけでもないので、「チキンバスケット」という気にはなれず、「大粒牡蠣フライ」をお願いしました。800円というのは安い設定だよね。届くまでしばし、と文庫本を取り出して、ふと周囲の異変に気がついた。カウンターの客たちの手元にもホールのテーブルにも、お皿が届いていない。総じて、ぼけっと料理が届くのを待っているんだ。無意識に時計に目がいく。大丈夫かな。ぽつぽつとお皿が運ばれてはいくが、矢鱈とスローペースだ。そうこうしているうちに、「キャンセルして!」と食べずに店を出て行く客が二組も背中を通り過ぎていく。むむむ。カウンターの客は、「ハッシュドビーフ」だというのに随分と待ってしまった様子だ。無表情に掻き込むように食べて、早々に引き揚げていく。業を煮やして「随分と遅いね~」と訊くと、「順番にお作りしています」「もう少々お待ちください」と云う。むむむむ。「お待たせしました」とお皿が届いた瞬間、確認するように時計を見るとなんと、注文を告げてからかっちり50分が過ぎている!。読む本がなかったら耐えられなかっただろうね。いやはや。広島産だという牡蠣の身に若干の臭みがあるものの、フライ自体はどうして悪くない。元々小盛りのライスをお代わりするついでに、すっかりなくなってしまったタルタルを足して欲しいとお願いすると、あろうことか「別料金」だという。ま、そもそもの料金設定が安いのは分かるけど、50分待たせといてその科白はないよね。「じゃ、醤油」。別料金でいくら取るのかちょっと興味あったけど…。精算の際に、なんでそんなに時間がかかるのか訊ねると、厨房が狭くてコンロが幾つも置けず、フライモノ含めたいろいろなメニューに順次対応するとこうなってしまうんだそう。キッチンのスタッフが不足している訳ではないと云う。でも実際のとこ、破綻してるじゃんねー。思い切ってメニューを絞るとか、いっそ厨房廻りを改造するとか、なにか積極的な対応をしないというのは、わざわざやってくる客に対して礼を欠くように思えて仕方ない。設備的に古いビルが故の難しさもあるやもしれないけど、費用が捻出できないということでもなさそうだし。最低限、入口ドアの脇に分かりやすく、「30分以上お待たせします!」と明示すべきデス。
「GINZA Candle」 中央区銀座7-3-6有賀写真館ビルB1 03-3573-5091