30分弱の短い旅を乗せてくれたのは、 スイス国鉄のスマートな列車。仏蘭西との国境を越えてやってきたのは、 モルトー Morteau という町です。
ひっそりとした駅を出て目指したのは、レストラン「Jacques Alexandre」。 でも、残念ながらシャッターが降りていて、お休みのご様子。 しばし呆然としてから(笑)、お隣のデリカテッセン「La Fruitiere」にお邪魔して、 チーズやソーセージを物色します。 チーズの熟成月数による味わいの変化を試したり、 形や大きさ、太さの違う、白いのや黒いの、量感のあるの皺々の等々、 色々なソーセージを眺めたり。 チーズとモルトーソーセージをお買い上げして、 ついでにお薦めのレストランを訊いてみました。
降り出した雨の中、線路に沿うように走る街道沿いの町外れまで。白い壁の可愛らしい建物は、 オーベルジュにして郷土料理の店「Auberge de la Combe Geay」だ。
店内は、山小屋風と喩えたくなるようなウッディな佇まい。サーモン・ピンクのテーブルクロスが、 温かな雰囲気をより増しています。
内陸とはいえ、おフランスですもの、 もしかしら牡蠣のブロンなんかあったりなんかしてと訊ねるも(笑)、応えはNon。 ならばと前菜にいただいたのは、「帆立のコキール」。オーブンの芳ばしさが帆立の身に寄与して、素直に美味しい。
もうひとつのサイドディッシュに、「モルトーのハムとソーセージ」。さっきこのお店を薦めてくれた、 あのデリカの逸品なのに違いないと勝手に決め付けていただきます。 地元モルトーでモルトーソーセージ食べたことあるひと、そんなにいない筈、 なんちゃって(笑)。
いただいたワインは少々変り種の「Château-chalon」。メニューでは、RougesでもBlancsでもRoséのところでもなく、 「Vin Jaune」というカテゴリーのところに載っている。 ヴァン・ジョーヌは、”黄色いワイン”ってな意味になる。 へー、と思いながらグラスに注ぐと成る程、それは蜜をも思わす黄色い雫。 グラスを鼻先にもっていき、そっと口に含めば、あ!っと想う。 サヴァニャンSavagninという葡萄を使った黄色いワインには、 シングルモルトでちょこちょこ出会う、 所謂シェリー樽フィニッシュと同じ香りがするのであります。 なかなかハードな呑み口にはなるけれど、こりゃ面白い。
相棒は、ドーム状にこんもりと盛り上がった「鶏のパイ包み焼き」。パイ生地の中にはたっぷりと挽肉がつまってる。 均一にお皿に敷いたソースもsauce vin jaune。 グラスのワインに同じ、黄色いワインのソースだ。
片や、お野菜ご飯と一緒盛りの「ホロホロ鳥のロースト 蜂蜜ソース」。手羽先っぽいホロホロ鳥じゃなくて、 ころんとたっぷり肉厚な井出達がいい。 しっとり甘いソースには賛否両論ありましょうけれど(笑)、 ホロホロ鳥のローストrôtiには定番なソースなのかもしれません。
デザートには、定番のフランボワーズのシャーベット。 ブランデーが仄かに香ります。
モルトーの街道沿いに、 オーベルジュにして郷土料理の店「Auberge de la Combe Geay」。紅い看板に描かれたイラストを良く見ると、 カケスの仲間らしき鳥がとまっている枝にふたりの女性が寄り添っている。 どうやら応対してくれたふたりの姉妹がオーナーであるようです。
デリカで買い込んだモルトーソーセージは、 レンズ豆と煮込んで美味しくいただきました。 デリカのご主人、ありがとう。
「Auberge de la Combe Geay」 37 Rue Doubs, 25500 Les Fins, France [Map] +33 (0)3 81 67 02 53 http://www.combegeay.com/
column/03378
最近ますますの、びしっっと緊張感のあるレポですね〜〜〜。
伝わってきますわ〜〜〜〜。
Re:みっこさま
伝わる? ありがとう。
でも、緊張感は特段ないでしょ~(笑)。