新しい店を出すんだ、と「ど・みそ」店主齋藤さんから聞いたのは、たしか盛夏の頃。
「ど・みそ」の決して広くないカウンターの中に4人ものオトコがなぜに並んでいるのか、不思議に思ってみていたら、その新店スタッフの養成という側面もあってのことだとね。
新店の場所は、人形町交差点の「カレキチ」の跡。
それから紆余曲折あったのかどうか、当初目論んでいた時期からは多少ずれ込んだもののオープンの目処が立ったことが
ブログから伝わってきていました。
くにちゃんのオフ会で顔を合わせた齋藤店主は、いよいよなんだ!という面持ち満面。
そしてこの師走の初め、「げんまん」がオープンしました。
夜の人形町交差点。
交差点からも店先の祝い花が見える。
券売機の前に立ってボタンを眺めると、紫がかったボタンには「ど・みそ」のドンブリたち、そして青ベースのボタンには、醤油系のメニューが並ぶ。
醤油系がはんつさんプロデュースのラインナップなんだね。
その、はんつ遠藤ラインから「特醤油こってりらーめん」を選んでみました。
「のり」ものっけてもらいましょう。
径の小さめなどんぶりに、太めの白髪に刻んだ葱や青菜がこんもりと盛られ、そこへ二枚のチャーシューが寄り添って、あしらいは木耳か。
スープをじっとみると、背脂を浮かべた表層を覆うように脂の層がなしている。
こりゃ見かけによらずググッとこってりだったりしてと、レンゲを動かしスープを啜る。
と、そんな想像に反して、すっと味わえる濁りなき醤油スープ。
背脂の甘さを品よく愉しめるノリで、どこか懐かしいような、どこかで食べたことがあるような、どこのものでもないないような。
はんつさんのことだからもしかして、無化調でプロデュースしてたりするのかしらんと思ったりする。
そんなスープの中からぐいっとひっぱり上げたのはご存知「開花楼」の麺。
ぬらぬらっとスープを纏った姿は、なんだか官能的にも思う光景になる。
インパクトの点では正直ちょっと心配だけれど、力強い「開花楼」の麺を逆に絡め取るかのように一体となってひたひた迫るところにスープの地力を思うのでありました。
心配といえば、オープンキッチンの真ん中でテボを振る彼。
オープンし立ての店のオペレーションは相当キツイとは思うけれど、そんな心身の困憊が表情にも現れてしまって、倒れやしないかと。
それとは対照的に、周囲のスタッフはどこかのんびりしていて「待ち」の姿が少なくない。
きっと齋藤店主が、こういう光景にでくわしたらどう云うかな(笑)。
「げんまん」
中央区日本橋人形町3-7-11三福ビル1F [Map] 03-6661-9921
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