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手打ち蕎麦「成冨」で ごぼうのかきあげそば脳裏に残る味わい
朝日新聞社方面、銀座中学に対峙するところに「成冨」の看板がありました。
店先のお品書きの下には、北海道産と茨城産の蕎麦の実が置かれています。
重たい作りの扉を押し開いて、5席ほどのカウンターへ。
温かい「ごぼうのかきあげそば」大盛りをお願いしました。
注文に毎に、重箱の中から蕎麦の束を取り出し、湯掻き、冷水に取り、を繰り返しているようです。かけそばに、太すぎず細すぎずに刻まれた牛蒡の天ぷらが載せられた素朴な一杯。蕎麦を押し退けないように加減された上品に澄んだかけつゆに柚子が馨ります。
温かい蕎麦故か、手打ち十割そばの醍醐味が直裁に伝わってくることはないけれど、不思議と脳裏に残る。
せいろはどうなんだろう。
主人の成富さんは、両国の「ほそ川」で修業したとのことで、「辛味大根のおろしそば」はその出自を物語るもののようです。
「成冨」 中央区銀座8-18-6 二葉ビル1F [Map] 03-5565-0055