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隠れ座敷「神楽坂 竹兆」で 昭和浪漫と筍土佐焼氷見うどん
神楽坂を登り、毘沙門天の先を左に折れる。
さらに坂を登りつつ右手路地を覗くと、足元に小さな黒塗りの行灯が「竹兆」という文字を揺らめかせていました。
誘うように、その行灯が路地の奥へと等間隔で続く。
突き当たりの木戸に近づくにつれ、隠れ家的空気感が濃密さを増してきます。
そして、その重厚な木戸の先には、レトロ・モダンな設えの小粋な空間が広がっていました。
築50年の老舗旅館を改築して仕立てたという。
昭和浪漫とでも詠んでしまいそうな、ちょっとした非日常を感じさせます。
ガラス越しにライトアップされた庭を臨むカウンター席へ。
「ガージェリースタウト黒生」という黒ビールは、すっきりとしたほろ苦さが心地よく香ばしい。
熱々にしたバゲットにのせていただく「モッツァレラチーズ麦味噌和え」では、麦味噌とチーズとの相性の良さに驚く。
ウォッシュタイプあたりでもいけそうだ。
「筍土佐焼」「出し巻き玉子」でしみじみ。
柚子胡椒でいただく大山地鶏の「モモ肉ムネ肉焼」は、しっかりした滋味が嬉しい逸品。
そしてメニュー筆頭にあるのが「ぴざ」。1階奥に目に留まる小体な窯の火。
アンチョビの「ぴざ」を熱々のうちに一気に平らげます。
この雰囲気の中でピザを供するというマッチングが面白いね。
熊本の米「萬屋次兵衛」、芋の「神川」「海」「いも麹芋」で酔いが進みます。
〆には「氷見うどん」をツルリとね。
神楽坂の隠れ座敷「竹兆」。
纏う妖しさも魅力です。
「神楽坂 竹兆」 新宿区袋町三番地 [Map] 03-5261-8789 http://www.teshigotoya.net/