といっても、「いとう」の滑り止めと扱っている訳ではありません(笑)。 実は、美味しいキャベツをモリモリ喰らいたいと身体が欲した時に、 「にし邑」へとまっしぐらに足を運ぶのです。
扉を引き、いつものように威勢よく迎えられてカウンターのひととなる。真ん中の女将さんに奥側を守るお母さん、 揚げ台の親仁さんに客サイドを行き交うお姉さんとが、 それぞれの役割分担をせっせと熟すプロトコル。 所作に滞留がない心地よさを思います。 女将さんが絶え間なく発する「はい、はい」も店内に特有のリズムを生んでるね。
いつものご注文は、「ロースかつ膳」。カツが揚がるタイミングに合わせて、 大皿にキャベツがこんもり盛られ、ご飯がよそられ、 とん汁の鍋にレードルが沈みます。
適切な油の温度と揚げ時間を思わせる素敵な揚げ色のカツ。纏ったばかりの衣は、 きちんとロース肉に寄り添って、柔らかに香ばしく。
間合いよく火の入った身肉からは、 程よく脂が滲んで唾を呑み込ませる(笑)。肌理の整った旨さとでも云いましょか。 特製ソースどころか、塩さえもいらないな、なんて近頃考えております。
そして、とんかつ屋さんにとっては大変失礼ながら、 「にし邑」の目玉はこの千切り甘藍。卓上に用意されたマヨプッシュからお好み焼き宜しく流し掛ける。 いざいざ、貪りいただきましょう。 シャクシャクシャク、うんうん、美味いウマい。
メニュー立てが支えるシートには、 「旬のキャベツのお話」と題する解説がある。 キャベツの味が新鮮なほど甘みがよく感じられるのは、 キャベツに含まれるブドウ糖が多いからです。 特に春キャベツの柔らかさに比べ、巻きのよい旬の秋キャベツが歯応えが良いのは、 細胞膜を構成しているペクチンが低温の状態ほど堅くなり、 そのために噛んだ時に歯触りが良くなる訳です。 (中略) 当店では収穫された旬の秋キャベツを翌日早朝に買い付け、午前中にスライスし、 氷水にさらして冷蔵保存したものをベストの状態でご提供いたしております。 成る程、春キャベツではなくて、秋のキャベツが旬だなんて知らなかったよなぁ。
そして、秋もちょっと深まればそう、牡蠣の季節。キャベツの周りをぐるりと牡蠣フライで取り囲む、 1.5人前「かきフライ膳」にも惹かれつつ、 デフォルトでも6個が並ぶ嬉しさよ。
大き過ぎないこのくらいのサイズのフライをふーふーしてからひと口でいくのが、 牡蠣フライの最も美味しいいただき方ではないかしらん。生牡蠣いただく時と同様に、 身がころんとしつつやや小さめの牡蠣のフライがきっと旨い。 薄っぺらに貧相な牡蠣は、揚げると縮む傾向があるので、 そうではない牡蠣が望ましい。 今、「先端SENTAN」の流通はどうなっているのかなぁ。
肌理の整った美味しいとんかつと小振りが旨い牡蠣フライ、 そして旬のキャベツの美味しさを教えてくれるとんかつ「にし邑」。そうそう、味噌濃いめ、具沢山のとん汁も美味であります。
口 関連記事: とんかつ専門店「銀座 にし邑」 でぐるりと囲む9つのカキフライ(07年11月) 木ようカキ屋「コジシタ」で 世界向け先端カキフライ牡蠣あれこれ(12年10月)
「にし邑」 中央区銀座3丁目12-6 [Map] 03-5565-2941
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にし邑、私も先日牡蠣フライをいただきにおじゃましました。
ここ、ソース、タルタルの他に、岩塩もついてきて、好きなものをかけて食べられるのがいいですね。
貧乏サラリーマンなんで4桁のお代はキツイんですが、また伺いたいお店です。
Re:かわいさま
コメントありがとうございます。
そうですね。牡蠣フライには、ソースと芥子とかの組み合わせでいただくより、
タルタルや岩塩なんかのほうが断然似合いますものね。
今度は、ぜひ、牡蠣フライ1.5を奢っちゃってください(笑)。