今はちょっと遠くなっちゃったみたいだけど、
のむちゃんのランチテリトリーにすっぽり収まっていたレストランの一軒「KAIRADA」。
木挽町通りの筋をずっと京橋方向へ向かって、マロニエ通りの先左手に赤いサインが見えてくる。
何度も店の前を通っているはずなのに、どうもその存在が認識できていなかったのだけど、改めてその前まで来てみると、あ、そうそうと膝を打つよな勝手な既視感があったりして(笑)。
Dinner Menuは、プリフィクスのAかB。
そして、シェフおかませフルコースのC。
魚か肉か悩んで、肉料理と決めて、カワユく、コースのAとします。
小皿にそっと置かれたのは、可愛いピクルスたち。
それをカリっとしては、グラスのBeerをすーっとすいっと呑み干します。
グラスの白に早速切り替えて、一緒盛りしたオードブルあれこれに正対します。
ホタテのテリーヌ、サーモンのマリネ、グリエールチーズのタルト、鶏肉のガランティーヌや野菜たち。
ガランティーヌというのは、鶏肉や子牛肉なんかの冷製料理で、肉で詰め物を巻いて円筒形に整えてから煮るか蒸し焼きにしたもの云うらしい。
オードブルで時折見かける、輪切りにしてコイン状になったヤツもその仲間なんだね。
ガスパッチョの涼味に現を抜かしていたら、そろそろメインがやってくる気配。
ならばと赤のグラスに切り替えて、当のお皿を受け取ります。
お願いしていたのは、「うずらのファルシィ マディラ酒ソース」。
網脂に包んだ風のつるんとした照りの向こうを覗き込んで、その断面を窺うと、挽肉主体の詰め物がぎっしりと顔を出して、ナイフの動きを急かせます。
ジビエの気配も漂わせつつ、鶉の身が放つ滋味を真っ直ぐに愉しませてくれる。
マデイラ酒のやや甘く、独特の風味のソースがその滋味を引き立て、味わいの輪郭を浮かび上がらせています。
うん、いいね。
デザートの盛り合わせには、
パイナップルのタルトやキウイ、白桃のコンポート。
そして、印象深いのが翡翠色したバジルのソルベ。
フレッシュなバジルの香気が鮮やかに広がって、ああ、爽やかに。
厨房の下がり壁のところに、これまた印象的な木板が掲げられています。
コキアージュを象ったシンボルに二行半の文。
落ち着いたところで厨房から離れて、雑談に応じてくれたシェフに訊けば、そこにはこう刻まれているそう。
「ひともの自然、すべてのものに感謝せよ。」
裏銀座に灯りを燈し、丸二年を迎えようとしているRESTAURANT「KAIRADA」。
店名の「KAIRADA」ってどんな意味なのだろうと思えば大概、フレンチだもんきっとフランス語でいうところのなにかなのでしょと考えるところ。
でも、そうではなくって、それはとっても真っ直ぐで素直な由来です。
だって、有楽町「アピシウス」、神田・六本木の「パ・マル」を経て独立したシェフのお名前が”皆良田”なンだもの。
予約・段取りしてくれた
しずりんさん、久々ご一緒の
abuyasuさんも、ありがとー。
「KAIRADA」
中央区銀座2-14-6 第2松岡ビル1F
[Map] 03-3248-3355
http://mm.visia.jp/kairada/
column/03031