池井戸潤の小説「下町ロケット」の冒頭に会社の所在地として登場したりする。
その範囲は意外と広くて、環七の東側に品川区と境界を接する帯状のエリアを含み、北側は中原街道より東南側一帯を占める。
池上線の長原駅近くから中原街道に沿って、洗足池の信号までもが上池台。
つまりは、いつもお世話になっている洋食屋「クメキッチン」の住所も上池台。
環七を南に下ると夫婦坂で交差するバス通りの北側が上池台で、
南側は中馬込になる。
そのままバス通りの北側が上池台なのかと思ったら、
ピーコックの前で左手に曲がり入る道が馬込エリアとの境目である模様。
それが新幹線の高架のところまで続くのであります。
上池台はなかなかの急坂を抱えるエリアで、
洗足池の大池に対してそう呼ばれていたという小池公園の四方には、
補助動力のないチャリでは決して登れない坂がある。
上池上循環のバスが通る夫婦坂は、
貝塚坂からそのまま新幹線に向かっておよそずっと下り坂。荏原病院の前から新幹線に向かう道もなかなかの急坂で、
夫婦坂からやってきた上池上通りとY字に交差して、
新幹線の高架下へと向かう。
その交叉点にある紅い文字が、
「マウンテンバーガー」のサインです。
店先にはこんなアイテムも飾られている。色褪せ具合もよろしく、旧き良きアメリカの、
どこかのバーガーショップにあったもののようにも映ります。
人気を窺わせる混雑具合に驚きつつ、
しばし空席を待つ。やっとこ奥のテーブル席へとご案内。
ほとんどコーラを飲むことはないけれど、
ハンバーガーの時だけはどふいふ訳かコーラが飲みたくなるもので(笑)。
お願いしていた「BLTバーガーセット」がやってきた。トマトを蝶番にして上のバンズが浮き上がり、
パックリと口を開けたようにも見えて微笑ましい。
粗挽き加減と脂の加減、
なにより焼くことで生まれた芳ばしさが引き立てる、
肉そのものの旨味が感じられる、そんなパテがいい。そんな風に主役が主役の風格をみせると、
ベーコン、レタス、トマトなぞがきっちりと脇役を演じられる、
なんだかそんな感じがいたします。
その点は上下に挟むバンズも弁えていて、
具材の邪魔をしない軽やかさがある。それでいて、粉の風味をふふんと感じさせる瞬間があるのが、
ちょっとニクいのであります。
上池台の新幹線高架近くのY字路に、
HAMBURGER SHOP「マウンテンバーガー」がある。西馬込駅からも洗足池駅からも徒歩15分という立地ゆえ、
電車に乗って訪れるひとはきっと、なかなかの少数派。
この混雑を生んでいるのはご近所ファンが大勢を占めていることになる。
今度お邪魔した時にでも”マウンテン”と名付けた意味を訊いてみよう。
なにやら界隈に所用あり気なkimimatsu姐さんも訪れています。
「マウンテンバーガーMAUNTAIN BURGER」
大田区上池台5-37-2 [Map] 03-5754-5611