薄暗がりの路地の左手には、 古の洋食の店「グリルエフ」の看板。 右手にはちゃんこ「力士」が誘うサイン。 その先にある紅い突出し看板が、串焼き焼酎の「日南」。 更にその先のやきとん・居酒屋の「和田家」は、 一度もお邪魔出来ぬままどうやら店を閉めてしまったようです。待ち合わせは、紅い看板のところ。 お久し振りの「日南」です。
既に止まり木が埋まっているカウンターを避けて、 左手のテーブルの席の間を縫うように抜けて、 二階への狭い階段を上がります。振り返り見降ろす階段は、 隠れ家への入口に似つかわしい設えです。
手前の二階席中央に収まって、麦酒にて乾杯を。瓶の麦酒は、フロアの脇にある冷蔵庫から勝手に取り出すのが、此処での習わし。 振り向いた開け放った戸口の向こうに、「グリルエフ」の窓辺が映っています。 窓の中の様子は窺えませんが、どうやら「グリルエフ」の二階は、 20人までの予約対応の座敷になっているようですね。 フレンチのお店にお座敷があったなんて(笑)。
さてさて、お肉が続くその前に、気持ちだけでも「アボカドサラダ」。気の利いたお店にはそこにある定番になってるね。
お通し平らげ、「無菌豚生ベーコン」のほんのり燻香を愉しんだ頃にはもう、 麦酒のグラスが空いてしまう。ここで、福岡出身の氏が選んでくれたのが、 薩摩川内市の蔵元オガタマ酒造の芋焼酎「薩摩鉄幹」。 ワインも日本酒もひと揃いあるけれど、 此処ではやっぱり、焼酎が似合います。
焼酎のグラスをつつーと舐めたところに「牛レバーステーキ」。絶妙の火入れ具合。 新鮮レバーの美味しさを篤実に引き出してくれています。
そして、真っ先にお願いしたいのが、 おひとり様一本限定の「牛ハラミ串焼き」。囓ってシズルな上等ハラミを大事に大事にゆっくりといただきます(笑)。
含んだコリコリが期待通りのリズムを刻んでくれたのが、 「牛ナンコツハンバーグ」。濃密ソースのハンバーグに対して、じっくり煮込んだ「馬もつ煮込み」は、 軽快な滋味とでも云えましょか。
「プレーン」に「にら」と3種類あるオムレツの中から「無菌豚オムレツ」。青森県産「南昌豚」の甘さはもとより、 何気に思う玉子の甘さは玉子そのものからくるほの甘さでしょうか。 「玉子かけご飯」と同じ「八ヶ岳卵」を使っているのかもしれません。
〆にはしっかり「牛テールおじや」。 白濁したみかけと違って澄んだ出汁のよく出たスープがいい。 ふと、牛テールの入った「コムタン」を最近食べていないなぁ、 なんてことに気がついたりなんかいたしました。
五反田の肉居酒屋と云えばそれは、 知ってるひとは勿論知ってる「日南」のこと。日南と云えば、日南海岸や飫肥(おび)の町で知られる日南市。 大将が日南出身であるとか等、やはり彼の地に由縁があるのでしょうか。 今度は、お肉系居酒屋の東の横綱とも呼ばれる、 森下「山利喜」へも参りましょう(笑)。
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「日南」 品川区東五反田1-13-6 [Map] 03-3449-4425
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