
過日お邪魔した宗右衛門町の「KAKIYA」。
高島総料理長がデンと構えるオイスターバルなのだけど、そのステージを共に営んでいるのが、
大阪地区を代表するグランオイスターマイスターの
井川大輔さん。
殻付き生ガキの伝導士ことゲンさんにして、
大阪は任せた!と言わしめたのは、
このひと、この二人の存在に対してのことなのだ。
名古屋から到着したその足で降り立ったのは、雨のそぼ降る心斎橋。

御堂筋から一本裏手の筋を博労町方向に往くと、
その先に紅い円盤に「浜焼」の文字が見つかる。
それが、おさかなやたい「まつり」の目印のひとつだ。
店先に置かれた食材ケースを横目に硝子戸を引けば、
威勢のいい声と大漁旗が迎えてくれる。
その名の通り、屋台仕様の飾らない設え。
一階のテーブルに陣取りました。
早速のご注文はやっぱり、ご存じ世界戦略用牡蠣「先端」から。

同席してくれた同僚は、
えーそんなに小さい牡蠣なんだー!と覗き込む。
そう、一丁前以上の旨みを小さい中にすっと含んだ牡蠣がチビ旨いのだ。
殻の中に湛えた海水と一緒にいただくにも丁度いい。
続け様に届いたのが、「究極カキフライ」。


揚げ色しっかり目の揚げ立てをフーフーとして、まずはそのまま。
うんうん、香ばしき衣と凝集した旨みの一体感が素晴らしい。
二個目からは、タルタルならぬマッシュポテトを添えて。
いつかこんなスタイルも定番のひとつになってるかもしれないね。
「本日のお刺身」を眺めれば、やっぱり「カワハギ」に惹かれちゃう。

例によって、肝をその身でくるりとしていただけば、
白身の甘さ旨みが肝のコク味に引き出されて、しみじみと。

そうとなれば、日本酒の出番でしょうと、一升瓶を所望すると、
紅一点マキちゃんが手に傾けてくれたのが、
愛知・海部郡の山忠本家酒造の「義侠」無濾過生原酒 槽口直詰め。
そんな男気溢れるお酒をコップに溢れんばかりに(笑)。
「KAKIYA」にお邪魔した時にもカウンターで応対してくれたリョウくんは、
破顔一笑ならぬ破顔大笑とばかりに炸裂させる笑顔がいい。
頼り甲斐ありそな御大、井川ダイ兄ぃと調理場に並べばもう、
愉しい雰囲気満載の屋台となるのであります。
焼いたのも欲しいなぁとお願いしていた兵庫の「坂越かき」が、
焼きの頃合い加減も絶妙に焼き上がった。

早速、はふはふしながら、その身をつるんと口に含んで咀嚼する。
活き活きとした旨みと清らかな磯の風味が弾けて巡る。
やっぱ焼き牡蠣は旨いなぁ、
殻付き生牡蠣の伝道士ゲンさんには申し訳ないけど(笑)。
牡蠣料理まだまだあるよと、鰻巻きならぬ「かまき」。

下味を施した牡蠣の身をふんわりと包み込んだ玉子焼き。
牡蠣は玉子との渾然一体も得意技。
下味つけて炙り焼いた牡蠣でやると香ばしさが加わってもっといいかもなぁんて思ったりして。

グラスにたっぷりの「義侠」がカーンと利いていてるところへ、
愉しさ紛れに調子に乗ってもう一杯。
黒地に剣に龍が纏わり付いた、これまた勇壮なラベルのお酒は、
河内長野の蔵元「天野酒」がなす、スペシャルな一本だそう。
もう一度じっくり味わいたいと思っても、もうないのでしょうね。
そして、〆のご飯も牡蠣だもんねと今度は、
ひつまぶしならぬ「かきまぶし」。

甘辛濃いめに味付けした牡蠣の身がまさしく、その下のゴハンを誘う。
そのまま一気に食べちゃいそうになったところを静止され(笑)、
お出汁を注いで完食です。
ああ、愉しく美味しく酔っ払った夜でありました。
ダイ兄ぃ、リョウくん、マキちゃん、ありがとー。
気の置けない雰囲気にして、何気に大阪の牡蠣シーンをリードする、
GMO井川さんの店、南船場おさかなやたい「まつり」。


あの、世界戦略用牡蠣「先端」を大阪でいただくには、
やっぱり此処かオイスターバル「KAKIYA」へ。
さらに今なら、梅田D・D house地階の一角を間借りして、
牡蠣小屋「KAKIYA」も営っちゃっているらしい。
阪急梅田の裏手にも寄り道しなくっちゃだ。
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「まつり」
大阪市中央区南船場4-8-2 [Map] 06-6282-5570
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