和食居酒屋「わのつぎ」で鯖きずしポテサラの生春巻蛸醤油焼割烹着と次のうん

wanotsugi御堂筋線を心斎橋で降りて地上に上がればそこは勿論、御堂筋。
大丸の前をちょっと南下し清水町の交叉点を左折して、清水町筋を往く。
この辺りの通りは、御堂筋から心斎橋筋、畳屋町筋、玉屋町筋、千年町筋を経て堺筋に至る。
東西に通じていても筋と呼ばれているのが面白い。
島之内のバー「サンボア」は、清水町筋と玉屋町筋の角の清水町会館という雑居ビルにあり、オイスターバル「KAKIYA」から天野くんが独立した「おさかなやたいまつり」は、そこから道頓堀川へ向けて南下した宗右衛門町の玉屋町筋沿いにある。
そして、独特の語り口のブログもマスタの人柄を顕しているなにわフレンチ「Begin」は、清水町筋より一本南の周防町筋にある。

そんな清水町筋が畳屋町筋と交叉する辺りに丸清ビルという飲食店中心の雑居ビルがある。
その六階へと狭いエレベーターに乗り込みました。
途中で偶々扉が開いた階ではオネエチャン系の店らしき様子を垣間見る。
降りた六階で認めた白い暖簾の落ち着きになんだかホッとします(笑)。

予約の名を告げて、カウンターの隅に着く。wanotsugi01焼き物の箸置きに据えた箸が千代紙に包まれていました。

この日のお通しは、南瓜のスープと薩摩芋のチップス。wanotsugi02表情のある角皿に載せたこんなスタイルのお通しを定番としているよう。

お造りをと考えてどうしても真っ先に気が向いてしまうのが、鯖(笑)。
京都・千本中立売の「神馬」を思い出しつつ、「さばのきずし」をいただきます。wanotsugi03〆鯖よりも熟れた旨味が小粋に迫る。
添えた茗荷も名脇役です。

“旬”の項に「のれそれ」を見付けた。wanotsugi04ご存知、穴子の稚魚の透明感が、活き生きと目に映る。
何故だかゴメンナサイと呟きつつ、小さく繊細な甘さを堪能するのであります。

燗酒を所望するとそれは、砂時計とともに湯を張った木箱に収めてやってきた。wanotsugi05自らのタイミングとお好みの燗温度でつつーっといただけるってな寸法。
鳥取「鷹勇」の特別純米を選んでみました。

それってどんなんだろうと興味を惹いたのが「ポテトサラダの生春巻」。
ポテサラをすっかり包み込んだヤツをひとまず想像していたら、それは嬉しい的外れ。wanotsugi06焼売を包むようにポテサラを包み、白いソースを載せ、トマトと玉葱のスライスをあしらったもの。
ポテサラがひと口大の完成品に昇華した瞬間です(笑)。

ふと奥のテーブル席エリアを振る向くと、割烹着姿の姐さん方がそれぞれの所作に勤しむ姿が重なる。wanotsugi07着物に割烹着姿というのはいいものだと素直に思う瞬間です(笑)。

“揚”の項に「するめの天プラ」というお題をみつけた。
イカリングとは如何やら趣が違いそうだとお願いすると今度は、云わばお題そのまんまの姿で登場してこれまた愉しい。wanotsugi08どれどれと齧ると柔らかな千切り烏賊がサクサク千切れて心地いい。
こりゃ、ありそでなさそなオツなおツマミでありますね。

〆には「肉みそと卵入り稲庭うどん」。wanotsugi09昆布が軸の出汁と硬めに湯掻いた稲庭もまた、ここまでの酒肴に似つかわしい同じ基調と美味しさでありました。

弥生の頃から葉月の頃へと季節が移ってふたたび、清水町筋へ。
定番のお通しに続いて、これも定番のおばんざい「いわしの梅煮」から。wanotsugi10見た目にそう思わせない梅干しのエキスが加減よく滲みていて、いい。

今日は焼酎にしようかと目の前の甕を改めて眺める。wanotsugi11黒糖なしの芋のブレンドでお願いしましょう。

またまた”旬”の項から今度は「たこの一味しょう油焼き」。wanotsugi12弾力のある蛸の身が一味醤油に誘われるように甘さをご披露。
意外と手間が掛かっているのではないでしょか。

「焼きたらこのきゅうり添え」は、気分は鱈子のカプレーゼ風(笑)。wanotsugi13ちょいレアに焼いたタラコがそれだけで美味いところへもってきて、胡瓜のさっぱりが次へのひと口を誘(いざな)うところがまたニクい。

“菜”の項には「キャベツとツナののりまきサラダ」なる品もある。wanotsugi14マヨネーズで湿っぽいところを上手いこと巻いたよなぁと感心しつつ、大口開けてひと口に放り込む。
ちょろっと振った胡椒もアクセントに妙に気を惹く美味しさ。
高がキャベツとツナと海苔なのにね(笑)。

今夜の〆は贅沢に「うにたまごはん」。wanotsugi15新鮮な雲丹と張りのいい卵。
想像通りの期待通りの美味しい満足を与えてもらいました。

心斎橋は、清水町筋の雑居ビルに和食・居酒屋「わのつぎ」がある。wanotsugi16女将さんを中心にして女性のみで切り盛りしている和食処には、そんじょそこらのなんちゃって和食店がビビる程の本気が柔らかく内在している。
和装割烹着姿の女将さんは、姐さん肌と親方気質を併せ持った気風の女性なのではないかしらん。
Webサイトには「話のつぎが、輪のつぎになって、和のつぎが、わのつぎの運になりますように。」とある。
話(わ)の、輪(わ)の、和(わ)の行の次に運(ぅん)がある。
その先にその向うにある倖せを願う気持ちが、店名「わのつぎ」にも宿っているようです。

「わのつぎ」
大阪市中央区東心斎橋1-17-15 丸清ビル6F-A [Map] 06-6245-6628
http://www.wanotugi.jp/

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