
関越の所沢ICや航空公園の前を往く浦和所沢バイパスがそのまま入間市に抜ける国道463号線。
一本道ゆえ混雑していた街道も、所沢入間バイパスが並走するようになって、その渋滞は随分と緩和されたようです。
広く伸びる所沢入間バイパスから狭山ヶ丘駅方面へと斜めに入り込む。
目指すは、住宅地の武蔵野うどん処です。
此処ら辺りかなぁとアクセルを緩めると、
目に留まった幟に「名代うどん」の文字。

振り返れば、手描きの看板に「手打うどん本橋」と所在が示されていました。
やっぱり幟の立ったその先だよなぁと眺めれば、
葦簀を立て掛けた小さな平屋が佇んでる。

なんだか、親戚の叔母さん家にうどん食べに寄ってくみたいな、
そんな愉しい気分が浮かびます。

ストーブ焚かれた店内に入ると、
正面に厨房に対する丸椅子並ぶ数席のカウンター。
右手奥の小上がりで眺めるお品書き。
ご注文は勿論、「肉汁うどん」。
大盛りでお願いします。
うどんが茶褐色を帯びていることを認めて、
あぁ、しっかり地粉を使っているねとまず頷いて。


ちょっとづつ太さや幅が不揃いなのが手打ちの証。
艶やかな中に粉の風味が宿っているのが愉しめる真っ当な武蔵野うどん。
つけ汁に浮かぶは、やや大きめのロース系の豚肉がおよそ一片。
具沢山な、例えば所沢盃横丁の「なか屋」とは対極にあるシンプルさに、
こーきたかぁと微笑みます(笑)。

うどんを待っている間に既に気になっていた壁の貼り紙のメニューを確かめに、
ふたたび所沢入間バイパスを走る。
壁の貼り紙にはこう手書きされていました。
「ひらひらうどん始めました」。
件の「ひらひらうどん」は、正にひらひらしたうどんが幾重にも。

例えば、打ったうどん生地の端切れが嬉しい「たつみや」の”はじッ娘”にも連想が飛びつつ、
所謂”ひもかわうどん”ともどこか違うよな気もしつつ、
一瞬、じっと眺めてしまいます(笑)。
つゆの中から引き揚げてみれば成る程、
決して薄過ぎず、厚過ぎずの厚み加減がよい感じ。

それは口に含んで啜って確信に変わります。
つるんとして頼りなくなく、柔らかでいて歯応えを持っていて。
うん、美味しくて愉しいぞ、ご馳走さま。
叔母さん家の居間でいただくよな、静かな住宅地の武蔵野うどん「本橋」。

硝子越しの厨房に三角巾を被ったおばさんの姿を見つけて、またまた頷いて(笑)。
また、来ますね。
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「本橋」
所沢市若狭1-2620-2 [Map] 04-2947-5087
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