お世話になった先輩にお久し振りにお会いすべく新幹線を予約した。
先輩との約束は、夕刻のこと。
あんまり久し振りの名古屋なのでと、約束には全然早い時間帯のEX予約に切り替える。
何処かで名古屋めしを喰ったろうという魂胆なのであります。
そう云えば、ずっと気になっている、
味噌煮込みうどんの店が幾つかあった。
そのうちのひとつへ向かおうと、
地下鉄の桜通線に乗り、高岳駅で下車。
高岳(たかおか)って何気に読めないよね(^^)。
久屋大通りに戻るような形で桜通りを歩き、
泉一丁目の信号を右に折れる。
と、次の信号の角地にどどーんとはっきりと、
目的地の店名が迎えてくれました。
三階建ての建物の隅切り部のおよそ一面を、
モルタルで塗り込めてベージュ系で塗装。
縦の長方形に四角く区切った中央部の下地は、
まるで大判のタイルを貼り込んだようにも見える。
そこへヘタウマ系の切文字を取り付けている。
よくよく見ると案外凝った店名表示だ。
正午少し前の店内は、
当然のように満員御礼。
少々待って後、
窓辺に向かうカウンターの中央へと、
ご案内いただきました。
ご註文は勿論「みそ煮込みうどん」。
玉子、そしてこの季節のみの牡蠣入りだ。
暫し後、大量の湯気とともに土鍋がやってくる。
土鍋が間違いなくチンチンに熱い。
間違って触れないよう気を付けねば(^^)。
濛々の湯気が収まったところで、
土鍋の湖面を凝視する。
梅か桜か、ピンクの縁取りのお麩に、
斜め切りの長葱、油揚げ。
蒲鉾は発見できるものの、
玉子や牡蠣は、底の方に潜んでいる模様。
ふーふーふー。
蓮華で掬って啜った汁は、
その色味ほど濃くはなく加減よし。
塩辛さや酸味の角のようなものもなく、
出汁を活かすように円く、好印象だ。
ふーふーふー。
手打ちとされるうどんは、やや細め。
どうしても比較してしまうのは、
「山本屋本店」や「山本屋総本家」の、
ゴワっとした硬さとその食べ難さ。
対してこちらのうどんは、
心地よくしなやかな歯応えが、いい。
漸く顔を出してくれた牡蠣と併せ食べる。
ふーふーふー。
味噌と出汁の滲みた牡蠣が、
美味しくない訳がない、ね(^^)。
ご存じ「大甚本店」で先輩と一献傾けた、
その翌日、東京への帰りがけにも、
久屋大通りの向こうを訪れた。
お目当ては「カレー煮込みうどん」。
前日のお隣さんが気になっていたんだ(^^)。
前日と同じように湯気とともに土鍋が届く。
今度はより豪勢に、玉子、かしわ、
そして天ぷら入り、にしてしまう。
なかなか来れないからという言い訳を、
ぶつぶつ呟きながら(^^)。
単に見た目だけでは、
味噌とカレーは見分け難い色味ではある。
でも、味噌以上に鼻腔を擽るカレーの匂い。
ふーふーふー。
カレーの汁もまたいい感じだ。
決して濃過ぎることなく、でも不足なく、
出汁の旨味と一緒に相乗して美味しくしてる。
前日確認したうどんは勿論、
カレー汁にもよく似合う。
潰れて流れる玉子の半熟とカレー汁。
ふーふーふー。
そこにうどんを絡めて啜れば、
ね、そりゃ、美味いよね。
前日出来なかったのが、
ごはん少々と〆のチーズの活用形。
追加した玉子に少し熱を入れて、
さっと全体を掻き混ぜる。
ふーふー、ふーふー。
一気に食べ切ってしまいます(^^)。
名古屋は久屋大通駅と高岳駅の中間点、
桜通りの一本北側の杉ノ町線の角地に、
手打味噌煮込み「角丸うどん」は、ある。
Webページによると、
初代日比野高治さんが、
修行先の暖簾分けのかたちで、
角丸うどんを創業したのが、
大正15年(1926年)のことだという。
角にあるから「角丸」、
なのかと思ったら然にあらず。
初代の修行先からいただいた名前で、
元々は「角〇」であったとWebページにある。
当時あこちこに「角〇」があり、
ややこしくなって修行先に同じ「角丸」とした、
そんな経緯も読み取れる。
似た店名の他店との競争にも生き残り、
二代目、三代目と引き継がれて、
近く創業百年。
「角丸」のうどんの美味しさには、
そんな裏付けもあるのですね。
「角丸うどん」
愛知県名古屋市東区泉1-18-33 [Map]
052-971-2068
http://www.kadomaru.com