
いよいよ強く重たい風を運び始めた颱風9号。
どうやら石垣島の南方で停滞しているらしく、
雨はまだありません。
そんな中、島の西岸をちょっとドライブ。
クローズしている海水浴場を横目に走り、深い碧色が印象的な焼き物の「石垣焼窯元」を冷やかしたり。
気に掛けていた「石垣観光パイン園」に突如出会して、目の前で次々とカットしてくれるオバアの元気に押されて、たんまりパインをいただいたり。
グラスボートの受付小屋の颱風対策も済んで、不穏な雰囲気の川平湾を眺めたり。
ホテルに戻り、そんな嵐直前の石垣市街を向かったのは、久し振りの「森の賢者」。
5年振りの再訪です。
案内されたのは、馬蹄型のカウンター。

まずはやっぱり、オリオンのジョッキを手許に。
カウンターにも梟をモチーフにしたグッズが見つかります。
お通しは、ゆしどうふと海ぶどう。

最近では、わざわざ海ぶどうだけを注文することはなくなってきちゃったけど、
こうして少々をプチっといただけるのは、嬉しいものです。
まず届いたのは、「島あさりの酒蒸し」。

貝殻が縞状の突起でくっきりギザギザしているのが印象的な島あさり。
旨味がぐっと濃いような気がします。
ヘチマとそぼろあんの相性に思い至れば、
思わず注文の「ナスとナーベラーそぼろあんかけ」。
茄子にも惹かれているのだけれど(笑)。

ナーベラーの爽やかに甘い瑞々しさと柔らかな動物性の旨味とが相乗する。
オクラの歯触りや小さめに仕込んだゴーヤの苦味も活躍してくれています。
カウンターにずらっと並んだ貯蔵瓶は、「森の賢者」自慢の果実酒、薬草酒たち。
リストを眺めると沢山あって、ますます迷っちゃう。
目の前の瓶に掛かった札に「からすのパン」なんてのを認めて、お願いしてみることに。


なんというか、不思議な苦味と日向臭さが個性的。
忽ち美味しいのとは違うけど、飲むにつけ癖になり、
その度にちょっと健康になっちゃいそうな、ね。
と、そこへ到着は、「揚げ豚の島ねぎたっぷり!自家製ぽん酢風味」。

石垣島産の豚といえば、「もろみ豚」。
カリっとした衣がポン酢を薄く纏い、そこへまさしくたっぷりの島の青葱。
もろみ豚の脂の甘さが 小さく弾けて、青みとともにすっと消えてゆきます。
「請福」30度へ漬け込んだ薬草酒のラインナップの中にも「野草茶」があるのだけど、
ちょっと我が儘を云って、
ソフトドリンクのひとつとして用意されている「野草茶」で「請福」を割ってもらう。

すべて島で採れた野草で為す「野草茶」は、
フーチバー、うっちん、グアバの葉、島桑、月桃、アカメガシワ、からすのパンなど、
20数種類の野草をブレンドしたものだそう。
モリケンのご主人も朝飲んでいるという「野草茶」での「請福」割り。
颱風にモヤっとした気分の濁りもひと時晴らしてくれるよな気もいたします(笑)。
此処に来たらやっぱりと想うのが、「島野菜のてんぷら」。

裏通りの石垣から採れたり、近所のオバーが分けてくれるという島野菜たち。
この夜のラインナップは、紅芋、うりずん豆(四角豆)、アーサー、ドラゴンフルーツの蕾、
フーチバー、ピパーチの葉、アダンの芯、そして芯もそのままのゴーヤ。
爽やかな青さに含む甘さと苦味。
独特の形状が生む食感と歯応えの妙。
石垣島ならではの野菜たちの素朴な魅力が直球で愉しめるのだ。
石垣の島食材を活き生きと、島料理「森の賢者」。

石垣の魅力に惚れ、石垣の食材に向き合い続け、
それを楽しんでいる様子が垣間見えて、羨ましくも嬉しくなるのです。
口 関連記事:
島料理「森の賢者」で 昇華する島食材の酒肴たち(09年07月)
「森の賢者」
石垣市新川49-2 [Map] 0980-83-5609
http://www.beeline.co.jp/moriken/
column/03295