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島料理「あだん亭」で ピパーズあだんイラブチャてびちウムズナー
今夜は、ホテル日航八重山方面の「あだん亭」まで足を伸ばしてみました。
「アダン」とは、島に自生するタコノキ科の熱帯性常緑低木でパイナップルに似た実をつけるという。
その実は食べられず、葉の新芽を天ぷらや炒め物なんかで食す。
「森の賢者」や「ゆうな」、「しま膳」でも出会っていて、島料理の中では比較的ポピュラーな食材だ。
その「アダン」を店名に冠した「あだん亭」。
どんな島料理がいただけるのかな。
早速オリオンをお願いして、口開きはやっぱり「あだんの芽チャンプルー」。コリムニュっとした歯応えのアダンの新芽。
なにに例えればいいだろう。
筍ともちょと違うし、烏賊だと云い過ぎだし。
柔らか~くした鳥の軟骨ってイメージもふと浮かぶ。そんな感じ。
新芽ならすんなり食べられるけど、そうでなければ硬く、灰汁が強くなっちゃうのだね、きっと。
「豚足てびち」は、コラーゲンを煮染めたようなふるっとしながら滋味深いお味。この感じを島では、「味クーター(味わい深い)」と表現するそう。
石垣の地ビールシリーズのひとつ「石垣島の黒ビール」から、
以前「Banana Cafe」でも呑んだ記憶のある泡盛「白百合」にシフト。
そこへまずのお供は、「ピパーズの天ぷら」。
「ピパーズ」は、八重山そばをはじめとする汁モノにも好適の島胡椒で、その葉の新芽だけを天麩羅にしたものだ。
ふわんと香る心地よい青みが旨いです。
再びの炒め物は、「ウムズナーのニンニク炒め」。
「ウムズナー」とは小蛸のことで、小さな吸盤が並ぶ蛸足がお皿の中に見つかります。
噛めば柔らかで、甘いような風味が嬉し愉し。
今や定番となった「海ぶどう」もいただきましょう。
北部の野底の海草畑で採ったものだそうで、
シャクシャクっとした軽い歯触りとほんのり磯風味が、その真骨頂だ。
終盤にきてのお造りに、「イラブチャーの刺身」。炙った皮目の表情が誘うアオブダイの刺身は、シークワーサーを絞りいただく。
刺身に柑橘を使うのは、以前ミクロネシアの島で出会ったポンペイスタイルのノリにも近い。
南の島の淡泊な白身と柑橘の酸味風味がよく合うのだね。
シメにと、「フーチバージューシー」。山羊汁に使うフーチバに象徴されるように、ヨモギの香気が豚の出汁なんかで炊いたオジヤを風味豊かにしてくれるのだ。
市街から少し離れていながら、島料理を求めて訪れるひと達が入れ替わり暖簾を払う「あだん亭」。
豚の腸を使った「中味汁」、若いヘチマの「ナーベラーの揚げ出し」、色々具材のイカ墨炒め「ビックリチャンプルー」など、気になるところはまた次回ということで。
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「あだん亭」 石垣市大川430 0980-83-5221