万石浦を臨むかき小屋「渡波」で、
絶品に旨い焼き牡蠣を堪能した後、
万石橋の近くにあるバス停から石巻駅方面のバスに乗りました。
バスの車窓から見えるのは、
ほとんど瓦礫の撤去を済ませた後の更地。
所々に津波の被害を受けたままの様子の痛々しい建物が残る。
駅の手前、シャッターの降りた店舗が並ぶ商店街でバスを降りました。と、交叉点角の歩道に仁王立ちしているヤツがいる。 紅いボディスーツに身を包み黄色いマフラーを靡かせ、石巻駅方向を見据えているのが、 かの石ノ森章太郎画伯が生んだ「サイボーグ009」の主人公009島村ジョーだ。
パネルの説明書きを眺めると、
閉館中が残念だった「石ノ森萬画館」へと向かうマンガロードに沿って、
他の00ナンバーのサイボーグや仮面ライダー、ロボコンといったキャラクターたちが迎えてくれるそう。
そんな009の背中越しにお食事処「藤や食堂」の袖看板を見つけました。外観通りにくすんだ古色がいい感じの店内はほぼ満席。 先客さん達と入れ替えるように隅のテーブルへと腰を据えます。
窓への貼り紙には、 石巻焼きそば伝道師「ちゃちゃ丸」のキャラクターがコテを手に微笑んでる。
なにやら妙に忙し気な厨房のご様子。
ややあって届いた「特製焼きそば」には、目玉焼きが中央に載り、たっぷりの紅生姜。
焼きそばそのものは、妙な押しを思わせないシンプルな表情です。目玉焼きの脇から引き出して啜る焼きそば。
石巻焼きそばの麺は、一度蒸し上げた麺を水で洗い、もう一度蒸し上げて作っている。 二度蒸しされることで、麺に含まれる「かんすい」が熱で変化し、茶色くなるのではというのが通説らしい。 麺を蒸したのは、まだ冷蔵庫が一般的でなかった昭和20年頃に常温保存するために工夫を施したことが起源という。 保存のため麺を蒸したことから生まれた伊那の「ローメン」のことが脳裏を過ります。
創業60年、石巻焼きそばアカデミー会長の店「藤や食堂(ふじやしょくどう)」。
口 関連記事: かき小屋「渡波」で 万石浦採れ立て焼き牡蠣の衝撃的な旨さ(12年03月) 中国風菜館「萬里」で 伊那地方特有の麺料理ローメン発祥の店(11年05月)
「藤や食堂」 石巻市立町2-6-17 [Map] 0225-93-4645
column/03260


