ご馳走さまをして目に留まった、店頭ではためく幟には「三島うなぎ横町」とある。 「三島うなぎ横町」とは、三島のうなぎをもっともっと遍く広く知ってもらいたいという活動のことで、 三島駅南口から三島広小路を中心としたエリアを気をつけて歩いてみると、 同じ幟がいくつも見つかる。 三島で鰻を食べたけりゃ、この幟を目指して店を訪ねればいいンだ。 あ、でもそう云えば、三島産のうなぎ、というのは聞いたことがないよね。 三島のそこここに養鰻場があるわけではなくて、 では市内の河や池で川鰻が獲れるのかというと、天然鰻が希少なものとなった今では、それも概ねないよう。 なのになぜ鰻料理を供するお店が比較的狭いエリアに多くあるのかというと、その秘密はさっき新幹線のホームで拝んだ富士山にあるのだという。 富士に降った雪や雨が年月をかけて浸透し、伏流水となって湧き出すのがここ三島の地。 例えば、三島ゆかりの文学者たちの句碑「水辺の文学碑」が立つ桜川は、菰池公園の湧水池を源流としているそう。 そして、富士山の伏流水は、分子が小さく酸素を多く含んだ所謂活性水だという。 鰻をその伏流水に晒すことで、鰻が持つ生臭さや泥臭さを消し、水の持つ活性が美味しさの素である蛋白質を保ちつつ余分な脂だけを落とす働きをするというのだ。 伏流水で活性した三島のうなぎ。 釜めしのうなぎが軽やかに感じたのは、そんなことが背景にあるのかもしれないね。
「三島うなぎ横町」の一店、お食事処「源氏」は、なにせ駅南口の真正面。 伊豆箱根鉄道の改札からもきっと見つかる。 修善寺や伊豆長岡からの温泉帰りにすっと寄って、三島のうなぎ、ってのも一手です。 口関連サイト: 「三島うなぎ横町」の14店を紹介している、サントリーグルメガイド「静岡うなぎ特集」 「源氏」 静岡県三島市一番町15-22 [Map] 055-975-0882 http://www.genji3.jp/
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