そうこうするうち、お待ちかねのお皿がやってきました。眼前のハンバーグは、コロンとしっかり厚みのあるフォルム。 焼き上がりでこれだけの嵩があるってことは、パテの頃にはもっとポッテリとさせていたのだろうね。 割れが入っているのはこの厚み故仕方のないことなのかもなぁと考えつつ、ナイフの刃先を挿し入れます。 すると、切るより先に粗く挽いた肉がほろほろと。どれどれと口に運ぶとまずは、ちょっと滑るような不思議な脂の甘さが口腔に広がる。 これが、たどたどしくも解説してくれた、融点の低い不飽和脂肪酸を沢山含むという大田原牛由来の味わいなのだろうか。 俗によく言う、「あージューシー!」とか「肉汁がぁ!」というのとは確かに違う印象だ。 少なくとも、あれこれ余計な香辛料に頼らない印象は悪くない。 使っている胡椒は、ミクロネシア・ポナペ産だと訊いて、ふと南の島でいただいたペッパー・ステーキを思い出す。 そして、御兄いさんの指南に従って、ちょっと残したライスにちょっと残したハンバーグを載せて解し、そこへ大根おろし混ぜ込んで醤油を垂らす。んー、まぁ、意図がわからんでもないけど、単におろし醤油でも食べてみて!でもいいよな気がします。 お近くの「フランクリン・アヴェニュー」のテラスが脳裡に浮かんで、このハンバーグをバンズに挟んで食べてみたいとも思うのでありました。
希少種大田原牛の炭火焼ステーキの店「カサローエモ(CASAROWEMO)」。Webサイトには、 「カサローエモとはギリシャ語で”純潔”という意味の言葉です。黒毛和牛は競走馬と同じで、血統が全てと言っても過言ではない生き物です。大田原牛だけでなく、使用する調度品、調味料、水、空気にまで「純潔なるものだけの提供」をコンセプトにこの言葉を用いました。」とある。 後段にはやや鼻白むも、生い立ちの確かな稀少な牛肉を敢然と供する気概は伝わってくる。 牛のお店なのに何故に馬がモチーフなのか不思議だったのだけど、”競走馬と同じ血統”を表す考えからなのかな。 口関連記事: 海の幸フランス料理「ヌキテパ」 で土のジュレと西瓜ショート(05年04月) BURGERS「フランクリン・アベニュー」で テラスの赤身バーガー(04年04月)
「カサローエモ」 品川区東五反田3-17-14春日ビル1F[Map] 03-3446-8808
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