
年間30頭前後しか生産されないという「大田原牛」を供するお店が五反田にあることは随分前から知っていました。
ただ、例えば炭火ステーキの「吟撰」が200gで31,500円、さらに稀少だという「別格超吟撰」のステーキに至っては、200gで157,500円という畏れ慄いお値段(笑)。
そんな敷居の高さを案じつつ、でもハンバーグあたりだったらなんとかなるかもなぁと時折考えては日々が過ぎておりました。
島津山方面へ、伴侶を得ての好機到来。
お昼どきの五反田駅からソニー通りとおよそ平行に走る裏通りを往く。
「うどん」とのコラボも話題の「ダ・カーポ」を横目にそのまま進み、
もう少し行けば「フランクリン・アべニュー」や「ヌキテパ」のある清泉女子大正門前の坂下、というところにあるのが、炭火ステーキ「カサローエモ」だ。
扉の脇で、星条旗をモチーフにしたような帽子を被った御仁が、
「お金はちゃんと持ってきたかな?」と人差し指で問い掛ける。

痩せた札入れを改めて(笑)。
一応お昼でも要予約でということで伝えていた名前を告げ、窓際のテーブルへ。
なにかのお祝いでもあるような様子のテーブルがもうひと組ありました。
メニューにみる「しぐれ丼」は何故か、大田原牛ではなくて但馬牛。
「ビーフカレー」とか「ビーフシチュー」という手もあるけど、高嶺の花のステーキ以外となるとどうしても「ハンバーグ」でってことになってくる。
可愛く、200gでお願いしました。
ホールの御兄さんは、経験がまだ浅いのからかそれともそういう気性なのか、どこかおどおどした挙動がなにかを不安にさせる。
調理場はずっと奥にあるようで、例えば銀座「Chaco」のように肉を炭火で焼く臨場感を拝めないのも残念なところ。
と、思ったらカウンターの手前にモニターがあって、お肉の様子が映ってる!
んー、できれば音も聴きたいなぁ(笑)。
そうこうするうち、お待ちかねのお皿がやってきました。

眼前のハンバーグは、コロンとしっかり厚みのあるフォルム。
焼き上がりでこれだけの嵩があるってことは、パテの頃にはもっとポッテリとさせていたのだろうね。
割れが入っているのはこの厚み故仕方のないことなのかもなぁと考えつつ、ナイフの刃先を挿し入れます。
すると、切るより先に粗く挽いた肉がほろほろと。

どれどれと口に運ぶとまずは、ちょっと滑るような不思議な脂の甘さが口腔に広がる。
これが、たどたどしくも解説してくれた、融点の低い不飽和脂肪酸を沢山含むという大田原牛由来の味わいなのだろうか。
俗によく言う、「あージューシー!」とか「肉汁がぁ!」というのとは確かに違う印象だ。
少なくとも、あれこれ余計な香辛料に頼らない印象は悪くない。
使っている胡椒は、ミクロネシア・ポナペ産だと訊いて、ふと南の島でいただいたペッパー・ステーキを思い出す。
そして、御兄いさんの指南に従って、ちょっと残したライスにちょっと残したハンバーグを載せて解し、そこへ大根おろし混ぜ込んで醤油を垂らす。

んー、まぁ、意図がわからんでもないけど、単におろし醤油でも食べてみて!でもいいよな気がします。
お近くの「フランクリン・アヴェニュー」のテラスが脳裡に浮かんで、このハンバーグをバンズに挟んで食べてみたいとも思うのでありました。
希少種大田原牛の炭火焼ステーキの店「カサローエモ(CASAROWEMO)」。

Webサイトには、
「カサローエモとはギリシャ語で”純潔”という意味の言葉です。黒毛和牛は競走馬と同じで、血統が全てと言っても過言ではない生き物です。大田原牛だけでなく、使用する調度品、調味料、水、空気にまで「純潔なるものだけの提供」をコンセプトにこの言葉を用いました。」とある。

後段にはやや鼻白むも、生い立ちの確かな稀少な牛肉を敢然と供する気概は伝わってくる。
牛のお店なのに何故に馬がモチーフなのか不思議だったのだけど、”競走馬と同じ血統”を表す考えからなのかな。
口関連記事:
海の幸フランス料理「ヌキテパ」 で土のジュレと西瓜ショート(05年04月)
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「カサローエモ」
品川区東五反田3-17-14春日ビル1F
[Map] 03-3446-8808
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